遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

高齢化社会を異次元の施策で安全なものにするために

出典:警察庁「令和3年中の交通事故の発生状況」

2月11日に北九州で高齢者が引き起こした交通事故は、すさまじいものでした。昨日は横浜でも7台が絡む事故を起こして、高齢者がひき逃げ容疑で逮捕されています。

さいわいにも大きなけが人が出なかったのですがそれは偶然のことで、何らかの事情でドライバーがパニックになってしまうと交通事故は蓋然性があると言えるのではないでしょうか。

上のグラフは年齢層別の交通事故の発生率ですが、10代の事故が突出していますが、高齢者の発生率は思ったほど高くないようにも思えます。

個人差がありますので一概には言えませんが、運転中にパニックになる確率は、経験値が少ない10台と20代の若年層と身体的な衰えが始まった75歳以上の年齢層に多いと想像できますので、上のグラフがある程度そのことを表していると思います。

だれでも陥る可能性のあるパニック状態を軽減するには、安全な車に乗るということではないでしょうか。

私の妻(60代)が乗る軽自動車には、衝突安全装置などをオプションで付けましたが、昨今の高齢者の恐ろしい事故動画を見ると、75歳以上が乗る車は安全装置を付けることを義務付けしても良いかと思えてきます。義務付ければ、オプションも安くなるでしょうし、国の補助も望まれます。

また、自動車保険は30歳未満が払う保険料が高くなっていますが、高齢者にもそれを適用することも考える必要があるようにも思えます。また、定評のある安全装置が付いている車の保険料は安くすることなども考えるべき時かもしれません。

先だっては、元プロ野球選手の入来さんが交通事故で亡くなられました。彼は優先道路を走っていて信号機のない交差点で追突されましたが、走りやすい道路や分かりやすい標識も望まれるところで、それが「恐怖の逆走車」や「一旦停車をしない車」を激減させることにつながるでしょう。

それと、自動車メーカーの車づくりも安全面に配慮してほしいと思います。

下の動画は、プリウスで事故を起こしてしまう原因を示唆したものですが、なるほどと思うところがあります。プリウスを運転するのは疲れるというテーマで、その原因を示しています。

www.youtube.com

◆上の動画が示唆するプリウス疲労しやすい原因
・視野が狭い
・ハンドルが身体に正対していない(軸がずれている)
・シートの形状が悪い
・シフトレバーの操作が煩雑
・ペダルレイアウトが良くない

運転して疲れるということは集中している時間が短くなるということですので、パニックになる原因のひとつではないかと思われます。高齢者が乗るプリウスは危ないという定説を打ち破る為にも、安全な車と呼ばれる努力をメーカーは要求されているのだと思います。

高齢者の免許証の返納が少ないのは、公共交通機関の充実度と無関係ではなく、高齢者ほど車を必要とされるところは全国いたる所にあります。

ということで、高齢者の免許返納を待つことよりも、安全な車を用意してそれを低コストで乗れるようにすることの方が先決問題でしょう。加えて、ミュニティバス走りやすい道路や標識を用意して、異次元の高齢化社会を克服する必要があります。

114兆円の国家予算のほんの一部でそれらを用意してほしいものです。兵器を買っている場合ではないはずです。