遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

藤井聡太、羽生善治+ウサチャン軍団に押し切られる

藤井聡太王将羽生善治九段が挑戦する王将戦タイトル戦7番勝負は、2月9・10日に第4局が行われ、羽生善治が勝利し2勝2敗のタイに成績を戻しました。

藤井聡太は、今年になって後手番で負け続けていて、羽生(王将戦)に2敗、永瀬王座(順位戦)に1敗となり3連敗となりました。

ただし、先手番では目下24連勝中ということで、さすがと思わせますが、後手番の苦手意識が自他ともに芽生えなければいいがなと余計な心配をしてしまいます。

次の対局予定が18日の棋王戦タイトル戦第2局で、藤井聡太が後手番ですので、ぜひその一番はものにしてほしいと思います。

ところで、王将戦第4局の羽生善治の着ていた羽織が鮮やかな色(上の画像)で、うちの妻が「あれ新調かな?」と言うので、「羽生はめっちゃ着物持ってるし、いまさら作らんやろ」と私は返したのですが、羽生理恵さまのTwitterでこのたび新調したものだったことが判明しました。

しかも裏地が、クラシカルなうさぎの絵柄で、なんとも粋なものでした。羽織紐や草履の鼻緒もウサチャンがデザインされていました。

羽生家はうさぎと切っても切れない家系なようで、理恵さんのTwitterで頻繁に自宅で飼っているウサチャンの写真が公開されます。

で、そのTwitterに書かれていた今回新調したものが以下の和服一揃えのようで、銀座の呉服店などであつらえているようでした。私の推定ですが総額200万円は下らない高級品だと思います。
羽織 米沢織御召 新橋色
額裏 生駒暉夫『月にうさぎ』
袴  甲田綏郎 特上 青
羽織紐 ATENARI(別注)
草履 丸屋履物店 うさぎ花緒

羽織の「新橋色」というのは、鮮やかな青い色のようです。
新橋色(しんばしいろ)とは、明るい緑がかった鮮やかな青色のことです。 新橋色は、明治時代中期に、化学染料の輸入にともないできた新しい色で、当時、それまであった植物や動物由来の天然染料とは一線を画す鮮やかな発色の色でした。 この輸入された色をいち早く着物に取り入れたのが、新橋の新しいもの好きな芸者さんたちでした。》と、「新橋」由来のお色のようでした。

私は、藤井聡太がタイトル戦でいつも着ているいくつかのアンサンブルの色合いが粋で渋さもあって、若い時にこそ着ることができる落ち着いた色合いだなあといつも感心しています。しかも、それを自然に着こなせているところがなんとも立派です。

一方、五十を超えると、今回の羽生善治の召し物のような明るい色合いと可愛い裏地や小物などの取り合わせが若々しくって、貫禄のあるキャリアだからこそ着こなせるアンサンブルだなあとこれまた感心してしまいます。若い人がこういうのを着ると、チャラい感じがするような気がします。

ということで、今回藤井聡太羽生善治+ウサチャン軍団に押し切られてしまいましたが、次回に期待したいと思います。