藤井聡太が竜王戦タイトルに挑戦していましたが、7番勝負を4連勝してタイトルを獲得しました。
これで、竜王・王位・叡王・棋聖の四つのタイトルホルダーになり「藤井四冠」となりました。アッパレ!
藤井聡太(19)は、将棋のプロ棋士172人中いまだに下から2番目の若さ(19歳が3人在籍)で、すでに前人未到の領域の奥深くに入ってしまいました。
これで、藤井聡太はタイトル戦に6回登場して、そのすべてに勝って(タイトル奪取か防衛)いて成功率は10割となっています。ちなみに将棋界の歴代で、1937年に始まった名人戦を皮切りにタイトル戦に登場したことのある棋士は74人しかおらず、1度でもタイトルを獲得した棋士はわずか45人を数えるだけです。
竜王を奪取した対局は、デビュー後300局目の将棋で、通算253勝47敗となりました。またその日は、師匠杉本昌隆八段の53回目の誕生日だったようで、何よりのプレゼントとなったと思います。
杉本師は小学校の低学年の藤井聡太を自分の運営する将棋塾で面倒を見ていて、藤井は将来の名人になる逸材だと信じて疑わなかったようですが、その前に「藤井君が自分を師匠に指名してくれるかな」とずっと不安だったそうです。
奨励会に入会するにあたって、藤井聡太は母親とともに杉本宅を訪ねて、正式に師匠になってくださいと依頼したそうですが、実はその時に杉本昌隆は生涯で最も大きなプレゼントをもらっていたのです。
将来のビッグタイトルを約束された少年に、師匠になってくださいと依頼されること以上に大きなプレゼントはないでしょう。藤井がデビューして以来、師匠は「僥倖の日々」が続いていることでしょう。
杉本師は、盤上の勝負や作法のこともさることながら、藤井少年を人としてきちんと育てて来られたと思います。
若い頃に強かった棋士たちは、まさしくまだ若くて未熟なので、必ずしもみな人格が備わっていたとはいいがたいのですが、こと藤井聡太に関しては礼儀正しい好青年だと言っていいと思います。
傲慢でないところが彼のもっとも優れた特長で、そのうえに将棋が強くて、それが彼の人気の源であると思います。
現在、藤井は王将戦挑戦決定リーグで、4勝0敗のトップを走っていて、年明けの王将戦の7番勝負に登場する可能性があります。
王将リーグの放送はCS放送の「囲碁将棋チャンネル」が独占していますが、先だっての羽生善治対藤井戦の放送では、最終版に故意ともいえる長いCMを挿入して投了場面を飛ばし、茶の間の楽しみをふっとばす放送事故を起こしました。
これは今に始まったことではなくて、「囲碁将棋チャンネル」は、視聴者を自ら運営する有料(内容が貧弱なわりに高額)のネットコンテンツにシフトさせようと目論んで、「CMに邪魔されたくなかったらネットに加入せよ」と言わんばかりの暴挙を繰り返している可能性があります。さすがは、東北新社が運営するチャンネルの暴挙だとSNSでは批判が相次いでいました。
ということで、王将戦は「囲碁将棋チャンネル」の放送事故というおまけ付きのリーグ戦が展開されていますが、その事故も含めて残された藤井の対局が楽しみであります。
年明け2~3月ころには、藤井五冠が誕生している可能性があります。
【最新の棋士レーティング】
1 藤井聡太竜王・王位・叡王・棋聖 2090
2 豊島将之九段 1924
3 渡辺明名人・王将・棋王 1923
4 永瀬拓矢王座 1898
5 斎藤慎太郎八段 1849
6 佐々木勇気七段 1792
7 広瀬章人八段 1791
8 糸谷哲郎八段 1790
9 菅井竜也八段 1788
10 羽生善治九段 1787
【歴代棋士のタイトル獲得数(太字は現役棋士)】
1 羽生善治 99
2 大山康晴 80
3 中原誠 64
4 渡辺明 29
5 谷川浩司 27
6 米長邦雄 19
7 佐藤康光 13
8 森内俊之 12
9 加藤一二三 8
10 木村義雄 8
11 升田幸三 7
12 南芳一 7
13 久保利明 7
14 郷田真隆 6
15 豊島将之 6
16 塚田正夫 6
17 藤井聡太 6