遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

東京五輪のしょぼい開会式に「金返せ」の罵声

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東京五輪、日本勢がメダルラッシュで盛り上がってきているようで、結構なことだと思います。

ところで、五輪の開会式は見なかったのですが、大坂なおみが聖火の最終ランナーとして聖火の点火をしたそうで、その人選はベストだったと思います。

その前のランナーが「王、長島、松井」だったようで、かつで東京では圧倒的多数を誇っていたのが巨人ファンですから、これまたいい人選だったかもしれません。イチローに打診したけど断られた?感もありますけど。

楽しみにしていた大相撲の土俵入りはなかったようで、日本人の横綱が誕生しなかったからかもしれません。

過去の五輪の開会式は、夏季・冬季に限らず随分と見てみてきましたが、「日本ではこういうセンスのあるアトラクションは作れないよな」と思わせられる各国の素晴らしい開会式でした。

ただ、1964年の東京オリンピックの開会式と閉会式はそれはそれは素晴らしいものでした。
開会式は、古関裕而が作曲した「オリンピックマーチ」が素晴らしくて、そのマーチに導かれた各国選手団の入場行進は整然と執り行われました。

↑映画「東京オリンピック」より 選手入場(ナレーションはNHKの鈴木文弥アナ)

反面、閉会式はすべての競技を終えた各国の選手やコーチや役員たちが「オリンピックマーチ」が流れる中をさみだれ式に入り乱れて国立競技場に入場してきて、その場は楽しくて大きなパーティー会場のようでした。あの楽しい閉会式で、日本は各国選手たちに愛されていると感じることができました。

田舎育ちの無垢な小学5年生だった私にとっては、国際的な一大イベントを初めて目にする機会だったのでいい意味で非常にショッキングな出来事でした。いまだに自分のなかでは最も衝撃的な思い出となっています。

一方、今回の開会式は北野武が「くだらない、金返せ」とテレビの生放送で言ってしまうほどひどいものだったようです。

昨夜のYouTubeの「ポリタス」では、仕事のために生放送で開会式を見ていた青木理が、奥さんに避難されたと告白していました。「こんなくだらないものを見させないで!」と奥さんは先に寝てしまったそうです。

わが家では、妻は生で見たかったようでしたが、録画することで妥協点を見出して、溜まっている録画やYouTubeを見ていました。

いろいろあったので、私としては残念なオリンピックになってしまいました。日本勢のメダルラッシュが今後も続けば素晴らしいことだと思いますが、だからと言って「残念」な思いは払しょくされません。2020年の東京大会が決まった時に、オリンピックは純粋にスポーツ競技会として今後はずっとギリシャで行われるべきだと思いました。

オリンピックで金を稼ごうとするのではなく、純粋にスポーツの楽しさを享受する大会に戻るべきだと思います。オリンピック憲章の精神はそういうことになっています。

ということで、今回の東京五輪は無能な首脳やパンデミックや地球環境のために興行的には失敗に終わった大会で、今後のオリンピックのありように良い教訓になったと思います。日本の犠牲は大変なものですが、人類の未来のためには貢献できた大会だったと言えるでしょう。

それにしても、今大会の開会式の費用は165億円と言われているようですが、北野武のように納得できない人が多いようです。まずは、開会式の収支表を見てみたいものです。その後には、大会全部の収支も知りたいと思います。

何年でも待ちますので、予算が3兆円に膨れ上がったとも言われる今大会の真の収支報告書を出していただきたいと思っています。そのことも夢見て楽しみにしています。


Monaka @teruko1206
開会式費用
ロンドンは33億円。
今回の東京は165億円。
ついでに
リオが5億円。
北京はロケット演出含め110億円。
選手村のお粗末さ
ボランティアさんに
宿賃、交通費一銭も払わない
何兆円ものお金はどこに消えたのだろう?

デーブ・スペクター @dave_spector
【速報】開会式の制作費165億円のうち利益が164億円

東京新聞労働組合 @danketsu_rentai
作家・中村文則さん寄稿の最終段落。
「既に五輪は失敗と書いたが、
そもそも、家族の預金を勝手に全て賭けた父親が
その賭けに勝ったとして、
父さん凄い! と褒めるのは愚行。
国民の命は賭けるものではない。
未来のためにも、政府とIOCは
一度解体した方がいい。」
東京新聞 7月25日朝刊2面