昨日は、一日中藤井聡太(18)の将棋を楽しむ日「藤井デー」でした。
その対局は、淡路島で行われた渡辺明名人(37)との棋聖戦の5番勝負の第2局で、朝8時30分からAbemaの将棋チャンネルを見始め、終局が9時くらいでしたから12時間以上も勝負の行方を注目していました。
結果は、藤井聡太が勝って2連勝。棋聖防衛まであと1勝としました。
終局後は、対局者二人の「感想戦」があり、1時間くらいの時間をかけて主に敗者のために一手一手をトレースして指し手の良し悪しを吟味します。
藤井聡太の座右の銘は「感想戦は敗者のため」で、敗れた相手のために惜しみなく手の内を明かして感想を言い合う姿勢は実に立派なものです。
彼がデビューして約5年になりますが、将棋のプロ棋士で彼より年下はまだ一人しかいません(伊藤匠四段18歳)。ですから、すべての年長の敗者のために、藤井聡太は感想戦まで立派にやり通すのです。
将棋が強い弱いという以前に、人として立派だと思います。二十歳過ぎたらただの人、みたいに将棋の実力が急に衰えたりするかもしれませんが(藤井に限ってそれはないと思いますが)、実力とは無関係で人柄がいいことは大切なことだと思いますので、大ファンの一人として彼には人格者であり続けてほしいと願っています。
ところで昨日の対局、藤井棋聖は途中まであまり形勢がいいとは言えない展開で、例によって多くの時間を投入し「71手目」の段階で「残り5分」しか持ち時間が残っていませんでした。
この「残り5分」は1分以内に指せば減らない方式(ストップウォッチ方式)とはいえ、あまりにも少ない持ち時間になっていました。
一方の渡辺の時間は残り1時間30分くらいあったと思いますので、大変なハンディでした。
この対局は最終的には171手の長丁場になりましたが、藤井棋聖「残り2分」で終局しました。終盤の100手を消費時間3分!で乗り切りました。いつかは必要になるとても大事な1分のために、藤井はぎりぎりの攻防の中で延々と1分未満で指し続け極力時間の費消を抑えて勝利しました。渡辺の残り時間も利用して考慮したとはいえ、渡辺が最後は「残り1分」になったことを思うと、神業というべき終盤戦のみごとな手際でした。見ている方が体に応えるハラハラ感でした。
散歩に行きそびれていたので、感想戦が始まった頃にスマホにイヤホンでその模様を聴きながら1時間ほど夜のウォーキングに出かけました。負けたにもかかわらず、感想戦での渡辺の明るいトーンの声を聴きながらいい汗をかきました。
【将棋の持ち時間の方式、ストップウォッチとチェスクロックの違い】
ストップウォッチ方式・・・1分未満(59秒まで)の消費時間は計算しない
チェスクロック方式・・・秒単位も含めて消費時間を計算する
https://shogi-blog.com/chessclock-stopwatch/