藤井聡太七段が棋聖戦5番勝負を制して、初タイトルを獲得しました。
史上最年少でのタイトル保持者という喜ばしいおまけもつきました。
藤井聡太の対局はほぼ漏れなくウォッチしていますが、昨日の対局は29連勝を決めた対局と並んで、いままでで一番ドキドキした一番でした。
藤井君が勝利した棋聖戦の第一局は、五条大橋での牛若丸と弁慶の対決を思い浮かべてしまいましたが、二連敗の後一矢を報いた第三局では渡辺棋聖の真の力を見た思いでした。
タイトル戦の「番勝負」は、全体の流れが勝負に影響を与えると思いますので、二連敗を喫したものの一勝を返せた渡辺のモチベーションはぐんと上昇したと思いますし、渡辺が先番を持つと強烈な強さを発揮しますので、昨日の藤井聡太を見る私のドキドキ感はわが子を見る思いでありました。
ということで、牛若丸聡太は晴れて初タイトルを獲得して、将棋界に新たな風を吹き込みました。藤井聡太の素晴らしいところは、勝っても勝っても謙虚さを失わないところです。親と師匠のしつけもあるでしょうが、藤井聡太は「強い人は優しい」ことを表象するような人格者だと思います。
渡辺棋聖の「すごい人が出てきたな」という敗戦直後の感想は、対局者が一番実感していることだと思います。そういう将棋界の歴史の転換点を見ることができて、とても幸せな気分でした。アッパレ!