遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

職場を去るキャリアは野党でこの沈みかけた国を救済されよ

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◆ケース1
4年ほど前、2016年12月の河野太郎のブログが指摘したことに驚いたことがある。
なんと、日本年金機構年金事務所のファイルが「いろは順」に整理されているというのだ。
その当時で、いろは順が採用されている年金事務所は198カ所を数え、五十音順は114カ所の事業所だったという。
配属された新入職員は、いろは順をすぐ覚えられるので「世間にはご迷惑をおかけしておりません」ということで、全国の年金事務所の約60%が戦前からのこの一見無害だけど実にバカげた「いろは順」をずっと続けている。

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www.taro.org

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◆ケース2
かつての私の職場では、月一回近畿財務局に「ある報告」を求められていた。
当時Windows95が発売されて10年以上経つ21世紀だったにもかかわらず、財務局へはパソコン通信による報告を求められていた。ある時パソコン通信用の「モデム」が壊れて、とりあえず紙ベースの報告書を財務局へ直接持ち込んで対応できたのだが、その後モデムを調達するのに困ったことを覚えている。インターネットの時代にパソコン通信用の新品が当時はかなり高価で部署の予算が飛んでしまうので、部署の若手が大阪の日本橋の電気街を探し回って中古のモデムを調達してきたのを覚えてる。
天下の財務省の財務局の報告集計が、21世紀にパソコン通信のフォーマットに頼っていたというお粗末さであった。彼らにも予算が配分されていなかったのだろうし、忙しさのせいか情報処理用リテラシーも稚拙なものだったようだ。しかし、我らと同業者のすべての事業所が、時代遅れのパソコン通信で財務局向けに毎月同じことを繰り返していたのだった。

上に紹介したケースは、キャリアではなく現場の国家公務員のケースだが、国家公務員の現場は世の中の動きからどれだけ遅れているかということが見て取れるのである。それは、予算(税金)とリテラシーの配分がずっと滞っていることの証左だと私は思っている。しかしそれだけではなく、彼らの時代錯誤は関係する我ら国民にも多大な負荷を負わせていたのだった。しかも、それはいまだに改善していない。

最近目にした「中央省庁20代キャリア87人が自己都合退職」というニュースが話題を呼んでいる。

mainichi.jp

彼らの辞めていく原因は、馬鹿な与党が主因だと思う。
国会運営で、各委員会における野党の事前通告が官僚に提出される時間が遅いとか通告の意味が不明で若手の官僚が野党に振り回されているから彼らが辞めてくという側面もあるだろう。しかし、事前通告に基づいて官僚が渾身の答弁を書きあげていてもなお、安倍や菅義偉やその他の無能閣僚の答弁風景を見ていれば、若くて優秀な官僚たちは、こういう馬鹿に私の未来は左右されるのだろうかと思うと自分の行く末は暗澹たるものだと感じていることは容易に想像できる。「いったいいつまで開国明治政府は続くのか?」という思いだろう。

こんなバカな政権に居たらヤバいので今のうちに逃げ出そう、というのは正しい選択だ。同じ泥船に乗っている必要はない。「上級国家公務員にパスした」というだけで、20代でも十分に評価されるキャリアなのだ。

ということで、若き優秀な諸君は、野党の議員になって国民のために働く英雄を目指してほしいものだ。その副産物として、国家公務員(キャリヤやノンキャリア)が所属する職場やリテラシーの改善が迅速に実現されるに違いないからだ。

野党(立憲民主党共産党・国民民主党・れいわ新選組)の国会議員になって、若気の至りと言われようが売国奴と呼ばれようが、君たちのかつての夢を実現させるためにも、沈みかけた国とかつての同僚のために一肌脱いでくれないものかと思う今日この頃なのである。