遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

安倍で70%沈没した「日本丸」は、菅船長に代わって沈没寸前状態だ

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ようやく国会が開会された。

菅首相の国会デビューとなる所信表明演説は、官僚が書いたのか大きい文字のわりに内容の乏しい薄っぺらい資料による「表明朗読」だった。

にもかかわらず、ところどころ読み間違いというか活舌が不明瞭というか、とにかく言葉を扱うことを最も厳しく要求される職業人としては、100点満点で10点くらいの演説だった。

そもそも、菅の目に覇気がない。いくら神輿に乗っただけの宰相だとしても、もう少し溌溂さがいるだろう。ギラギラしているだけで「国のかじ取り」を担う船長の目ではない。めぼしい積み荷はないかと海上をうろつく海賊の目に似ているのではないだろうか。

昨夜は、NHKの「ニュース9」に生出演し、学術会議に推薦された会員候補6人を任命しなかったことについて、「『総合的、ふかん的』と申し上げてきたが、幅広く客観的という意味合いもある。民間出身者や若手研究者、地方の会員も選任される多様性が大事だ。組織全体の見直しをしなければならない時期ではないか」「任命すると公務員になる。学術会議で選考したものを追認するのではなく、政府として関与し、責任を取る必要がある。ただ説明できることとできないことがある」と語っていたようだ。

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またまた「多様性の観点」でという新しい解釈が出てきたが、推薦手続きに多様性の観点が含まれていることを菅は知らないようだ。いずれにせよ法の解釈を勝手に変えてはいけないし、法治国家の最高責任者として学術会議法に則って速やかに排除した6人を任命しなければならないことに変わりはない。逃げ道はない。

安倍政権のブレーンだった今井尚哉とスピーチライターの佐伯耕三が官邸から去ったのは、菅義偉だけじゃなく私も心底よかったと思っていたが、次のブレーンとスピーチライターはさらにグレードが一段下がってしまった。

安倍で70%沈没した「日本丸」は、船長が代わったばかりなのに浮上どころか沈没寸前になってしまった。

菅と官邸は、2050年までに温暖化ガス排出ゼロにする代わりに原発を林立させるつもりだろうし、新設のデジタル庁はマイナンバーカードによる「国民背番号制」導入だろうし、官邸官僚の入れ知恵通りに動く宰相は、国会で野党にボロボロにされる予感もするが、総理が答えずに閣僚があたふたするのだろうなあ。

いずれにせよ菅総理予算委員会デビューが楽しみだ。ガンバレ野党!