遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

映画「ジョーカー」を観ました。後にある事実を知って驚愕!

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 ジョーカー Joker

監督・脚本 トッド・フィリップス

出演者 ホアキン・フェニックスロバート・デ・ニーロ

NETFLIXで映画「ジョーカー」を見た。

ピエロの恰好をしたジョーカーには既視感があったのだが、バットマンの登場人物「ジョーカー」と同一人物だったのだ。

バットマンでは、ジャック・ニコルソンや「ダークナイト」でのヒース・レジャーがジョーカーを好演をしていたが、バットマンが登場しない本作のホアキン・フェニックスのジョーカー役は素晴らしい熱演で、アカデミー賞の主演男優賞を獲得したことは当然と言えよう。

映画の舞台は、1980年代の架空の街ゴッサムシティ。走る車の型式で推しはかると、ゴッサムシティは70~80年代のニューヨークだった。いまに始まったことではないが、ハリウッド映画はものの見事にタイムスリップしたニューヨークを作り上げていて、何かと物騒で怖い地下鉄もちゃんと再現されていた。

コメディアン志望の貧しい青年ルパート・パプキンは、ピエロの格好をして街角に立つサンドイッチマンとして糊口をしのいでいた。時には小さなライブハウスで、ネタ帳を繰りながらスタンダップコメディを披露していた。パプキンは、精神が高揚すると笑いが止まらない症状が出るのだが、ライブハウスでは、笑いが止まらないのは演者パプキンだけだった。

ある時、パプキンがいつかは出演したいと夢見ている人気トーク番組から出演要請がある。その番組がライブでのルパート・パプキンの映像を取り上げたところ、司会者(ロバート・デ・ニーロ)は面白くないと切り捨てたにもかかわらず世間で評判となり、あろうことか夢の番組に出演が決まったのだった。

とっておきの赤いスーツに身を包み、「ジョーカー」のメイクを施して軽快なステップでテレビスタジオに向かう主人公が美しい。主演のホアキン・フェニックスは、体重を60キロくらいにまで落としてスレンダーな体と軽快なステップをこの作品のために準備したようだった。

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そして、デ・ニーロの司会進行で生放送のトーク番組が始まり、ゲストのパプキンが恐ろしい展開になる生番組に登場することになる。ジョーカーは、この時誕生したのだった。

例によって何の事前知識も情報もなく観始めた本作だったので、物語の流れになんとかついて行くだけだった。「ジョーカーは、この時誕生したのだった」と先に書いたが、鑑賞中はそのことに気付かなかったし、見終わった後からいろいろ調べたら、意味深なことだらけだったというわけだ。

一番驚愕したのは、ここには書けないある事実だった。それを事前に知ってから見たら面白いのだろうか?私のように、あとで分かって驚くのは間抜けだろうか?(間抜けの方が楽しいと思うけど。)

一方、全編に流れる70~80年代の音楽は私にとってノスタルジックで、楽しいものだった。

virtualgorillaplus.com

ということで、いつかもう一度この「ジョーカー」を見ることにする。「ダーク・ナイト」も然り。

本作がオマージュをささげたと言われるマーティン・スコセッシ監督・ロバート・デ・ニーロ主演の「タクシー・ドライバー」と「キング・オブ・コメディ」。

未見の「キング・オブ・コメディ」も見てみたいと思った次第である。