遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ゴッド・ファーザー/フランシス・フォード・コッポラ

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マーロン・ブランド演じるゴッド・ファーザー、ヴィトー・コルレオーネ、

その娘役タリア・シャイアを中心に、家族揃っての記念撮影。

黒澤明の「悪い奴ほどよく眠る」に感化されたされたコッポラは、

華やかな結婚披露宴を導入部に持ってきた。

世にも有名なこの結婚パーティから、ゴッド・ファーザーシリーズがはじまった。

アル・パチーノがどこにいるかお分かりだろうか。


ザ・インターネット・ムービー・データベース、略称:IMDb

歴代映画ランキング「Top 250」をご覧いただきたい。
http://www.imdb.com/chart/top?tt0068646

Rank Rating Title
 1.   9.1   ショーシャンクの空に The Shawshank Redemption (1994)
 2.   9.1   ゴッド・ファーザー The Godfather (1972)
 3.   9.0   ゴッド・ファーザー パートⅡ The Godfather: Part II (1974)
 4.   8.9   続夕陽のガンマン Il buono, il brutto, il cattivo. (1966)
 5.   8.9   パルプ・フィクション Pulp Fiction (1994)
 6.   8.9   シンドラーのリスト Schindler's List (1993)
 7.   8.8   ダーク・ナイト The Dark Knight (2008)
 8.   8.8   カッコーの巣の上で One Flew Over the Cuckoo's Nest (1975)
 9.   8.8   12人の怒れる男 12 Angry Men (1957)
 10.  8.8   スターウォーズ エピソードⅤ Star Wars: Episode V - The Empire Strikes Back (1980)
 11.  8.8   カサブランカ Casablanca (1942)
 12.  8.8   スターウォーズ Star Wars (1977)
 13.  8.8   ロードオブザリング 王の帰還 The Lord of the Rings: The Return of the King (2003)
 14.  8.8   七人の侍 Shichinin no samurai (1954)


ゴッド・ファーザーのⅠとⅡは、ご覧のように、

いまも過去も、常に上位にいる、

ショーシャンクの前は、パートⅠが常にトップにいたと記憶している。

(ちなみに、「七人の侍」は長年トップ10内にいた。)


なぜ、この映画が人を惹きつけるのだろう。

ゴッドファーザー』(1972年)
ゴッドファーザーPARTII』(1974年)
ゴッドファーザーPART III』(1990年)

監督 フランシス・フォード・コッポラ
原作・脚本 マリオ・プーゾ 
音楽 ニーノ・ロータ、カーマイン・コッポラ
マーロン・ブランド (ドン・ヴィトー・コルレオーネ)
アル・パチーノ (マイケル・コルレオーネ)
ジェームズ・カーン (ソニー・コルレオーネ)
ジョン・カザール (フレド・コルレオーネ)
ロバート・デュヴァル (トム・ヘイゲン)
ダイアン・キートン (ケイ・アダムス)
タリア・シャイア (コニー・コルレオーネ)
スターリング・ヘイドン (マクラウスキー警部)
ロバート・デ・ニーロ (PartII 青年時代のヴィトー)
アンディ・ガルシア (PartIII ビンセント・マンシーニ



シチリア島で父親を殺され、命からがら移民船でアメリカにやってきた少年ヴィトー・コルレオーネ。

そんな可哀相な少年ヴィトーに、シンパシーを覚える人が多いのだろうか。


NYでよろず屋の手伝いをしていた若きヴィトー(デ・ニーロ)は、

そのよろず屋をクビになり、4人も幼子を抱えて、犯罪者になっていく。

その逃げ場のない人間特有のクールさに、人は魅了されるのだろうか。


ヴィトーの息子で、ただひとり堅気だったマイケル(パチーノ)は、

ヴィトーが狙撃されたことにより、筋金入りのギャングに転落していく。

その理性ある過激な若きゴッド・ファーザーに、人は心惹かれるのだろうか。


ここ2カ月程の間に3部作をすべて見た、もちろん全作何度目かの鑑賞である。

何も楽しい場面は出てこない3部作である、

ただそこには生きていくのに必死な、家族の肖像があるのみである。

冒頭の記念撮影に写っている、

イタリア移民一世から三世までのコルレオーネ家と、

血の繋がりはないが、彼らを取り巻くファミリーの大河ドラマであった。

家業が、食堂でも大工でも石屋でも銭湯でもなくて、

ギャングだったイタリア系一家の壮絶なるホーム・ドラマであった。


マーロン・ブランドはすでにベテラン大物俳優だったが、



若い力が伝わってくる。


パートⅢのエンディング、少年ヴィトーが石持て追われたシシリア島で、

そこで、ゴッド・ファーザーシリーズの大円団を迎える。

セピア色したシシリア島のシーンで、穏やかに終る。


黒澤明の「生きる」のブランコの場面と合い通じるシーンでもある。