遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

秋田/なんでも画にする木村伊兵衛

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今週のNHKBSの「こころ旅」は秋田県を巡る旅だった。

秋田駅に貼ってあった大きなポスターを見た火野正平が「このポスターのこの娘、かわいいなあ」と言っていた。

その秋田のポスターに使われていた写真が上のもの。撮影したのは、木村伊兵衛(きむら いへい 1901-1974)。

正平が言う「この娘」は、この写真が撮影された1953年当時、高校3年生だったそうで、現在はお亡くなりになっているようだ。

木村伊兵衛は、写真の芥川賞ともいわれる「木村伊兵衛賞」にその名が残る。いまは猫の動画で若い人にも人気の岩合光昭も、木村賞を受賞している。

 

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こちらの写真は、同じく木村伊兵衛によって1953年の秋田・大曲で撮られたもの。

大曲の市場で女性を撮ったもののようだが、モデル(おそらく一般人)のたたずむ姿が美しくて、作品全体がモード写真のようにカッコいい。

フィルムカメラの時代から惜しげもなくシャッターを切れるデジタルカメラの時代になった今でも、プロの写真家を見ていると、必要以上にシャッターを切らない。

画家も写真家も同じだが、絵になるものを探すのがうまいのでなく、「絵(画)にする」能力に秀でているような気がする。

ということで、私のブログ記事にはしばしば登場する、なんでも画にする木村伊兵衛のお話でした。