遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

アホちゃいまんねんパーでんねん/囲碁・将棋界のレジェンドはやさしい

f:id:toship-asobi:20200603165825p:plain

昨日の将棋に続いて今日は囲碁のタイトルマッチの話題です。

本因坊」戦という、もっとも由緒あるビッグタイトルが昨日から始まっています。

本戦のタイトルホルダーは井山裕太本因坊文裕)(31歳)、挑戦者は芝野虎丸名人(20歳)で、いま日本囲碁界のトップ棋士2人の対局となりました。

マッチは7局あり、各自持ち時間8時間で1局は2日間をかけて行われ、先に4勝したらタイトル防衛あるいは奪取というシステムになっています。

私は井山裕太囲碁しか興味のない(最近中邑菫ちゃんも興味ありですけど)人間ですので、まだ始まったばかりこのビッグタイトル(井山は現在8連覇中)はぜひ死守してもらいたいと思っています。

さて上の画面は、本日のYouTubeでの本因坊戦生配信の模様です。

飛び入りで趙治勲(25世本因坊、63歳、韓国生まれの日本囲碁界の巨人)が、自分でPCを操って解説をしている場面です。囲碁界の巨人が飛び入りで視聴者へのファンサービスをしてくれるというのが、囲碁界の自由な雰囲気でいいところだと思います。

話は変わりますが、数年前、趙治勲の面白い場面に遭遇しました。

全国に囲碁ファンが見ている毎日曜日放送のNHK杯戦で、自分に出された湯呑のお茶が空っぽになった趙治勲センセー。いきなり、棋譜読み上げ担当の女性の前のお茶を飲んだんです。

 

www.youtube.com

私は毎週NHK杯を録画していますから、そういう歴史的名場面に遭遇できました。ちなみにお茶を飲まれてムッとしている女子が、上の画像の本日の聞き手をしている奥田あや四段です。

さらに言うと、(確か)この対局で趙治勲は「アホちゃいまんねん、パーでんねん」というぼやきを繰り返していました。よせばいいのにこの放送の解説の武宮正樹大先生(69歳、趙治勲の兄弟子)が、「アホちゃいまんねん、パーでんねんと言っています」と念を入れて解説していました(笑)。

ともかく、将棋界のレジェンド羽生善治大明神も気軽に女流の対局の解説をしたりしますし、キャリアを持つ強い人間ほど常識人でやさしくてファン思いで、権威を振りかざしたりしないこだわりのない生き方をしていると思います。囲碁や将棋界のそういう洗練された自由な雰囲気が好きです。

 

ところで、この本日のYouTube放送、ワイプ画面で、AIの勝率評価値を使ったり、PC操作をして先行きの解説をしたりする方式は、素人にもより分かりやすくて、ポストコロナでもこの方式の囲碁解説番組をお願いしたいものであります。