「映画は理論からは生まれない」
「私の映画は愛から生まれたものだ」
「私こそ映画だ」
これは、フェデリコ・フェリーニの言葉。
道
1954年 イタリア
監督:フェデリコ・フェリーニ
脚本:トゥリオ・ビネッリ他
音楽:ニーノ・ロータ
出演:ジュリエッタ・マシーナ、
アンソニー・クイン
リチャード・ペースハート
アカデミー外国映画賞
主人公ジュルソミーナを演じるのは、フェリーニの奥方ジュリエッタ・マシーナ。
ジェルソミーナは天使の如く。
旅芸人の粗野な男が、アンソニー・クイン。
これが、どうしようもない悪魔のような男。
そんな、天使のような女と悪魔のような男の物語。
天使も悪魔も神も、人間が創り出したもの、
人は「天使」「悪魔」「神」の魂を持って生まれ、そして死んでいく。
「天使」「悪魔」「神」と並べるのが正しい比較方法かどうかは分からないが、
心の中に3者が棲んでいて、彼らの占める割合が時により違う。
その割合は、いつも一定だとは言えない。
悪魔は天使と遇って変わっていく。
私、今の私は落ち込み気味で、「天使」が7割くらい占めている。
でも、絶好調と思しき時は、「悪魔」が9割を占めているはずだから、
今は良い感じの精神状態である。(これぞ、お気楽の真骨頂!)
「道」は、フェリーニの「愛」が生んだ、素晴らしい映画である。
本当に、世界の中心で愛を叫んだのは、フェリーニでもある。
音楽が、「太陽がいっぱい」「ロミオとジュリエット」「ゴッドファーザー」のニーノ・ロータ。
主題曲「ジェルソミーナ」は、天使の如き歌声(歌詞はない)で、観る人の心に響き渡る。
「泣く準備」をしてからご覧いただきたい。
キネマ旬報「オールタイムベスト・ベスト100」外国映画編(1999年版)
第7位
この映画の採点=☆☆☆☆
(双葉十三郎のぼくの採点表より ☆=20点 ★=5点 但し☆☆☆☆★★以上はない)
私の採点=☆☆☆☆★★