遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

どちらも自由だ、白鵬の三本締めと国歌斉唱

イメージ 1

大阪での大相撲三月場所。

優勝した白鵬が、優勝インタビューの途中でお客を巻き込んで館内での「三本締め」の音頭を取ったことについて、相撲協会横綱審議委員会(横審)の委員長が「立場をわきまえろ」と問題視した結果、白鵬が謝罪したようだ。

白鵬が何かやらかすと、いつもおかんむりの協会や横審だが、あの程度のことで何が問題なのかよくわからない。

千秋楽のいちばん最後には、一番出世の新入り力士による三本締めが行われるのは私も小さいころからよく知っている。昔は、千秋楽には今のように表彰式が長くなかったので、テレビ放送に最後の一番出世力士による三本締めが放送されることがほとんどだった。

横審は、その前に白鵬が勝手に「締め」たと怒っているようだが、最後に締めができなかったわけでもないし、それよりも、平成最後の場所だということで館内のお客と盛り上がったのだから、いいことではないだろうか。所詮、入場料を取って楽しんでもらうエンターテイメントなんだから、興行的にはそれでよしとするべきだ。

お客のなかには、憮然として三本締めに参加しなかった人もテレビに映っていたから、それはそれでその人の自由を尊重もしたい。要するに、七面倒くさい頭の固いことを言うより、大相撲が発展していけばいいことなのだ。

もう、日本人力士だけで大相撲を支えることはできないのだからね。MLBアメリカ人だけがプレイしているか?ウィンブルドンは、イギリス人だけで成り立っているか?大相撲も同じようなステージを持つスポーツになって来たのだゾ。

それより気になるのが、表彰式での国歌演奏だ。

館内放送は、「国歌演奏。前奏に続きご唱和ください」と言うが、国家に前奏はあかんやろ。

どこかの国の国家で前奏をつけているケースがあるか?日本の国歌は世界一短い素晴らしいはずのものなのに、いくら唱和してほしいとはいえ、前奏をくっつけるのはまずい。

何かの国際大会で、日本が金メダルを取って国旗掲揚の際の国歌演奏時に前奏をつけた例があったし、何かの国際試合(サッカーかな?)でも試合開始前の国歌演奏時にも前奏がついていたケースがあった。

あれは「君が代」に前奏をつけてくれと頼んでいるのか?頼んでないのなら、国歌を改ざんしたと抗議すべき問題だが、ひょっとすると、国技館の前奏をつける国歌演奏スタイルが世界に広まっているのかもしれないゾ。それは大変だ!

たとえば、アメリカ国歌を日本で演奏する際に前奏をつけるか?ありえないだろ。勝手に前奏なんかくっつけたら、国歌の冒涜だと大騒ぎにならないか?

国歌を皆に歌ってほしい気持ちはわかるが、前奏はつけるのは国歌への冒涜であると私は思う。

また、国歌を歌おうが歌うまいが、起立をしようがしまいが、それも個人の自由だと思う。それは、白鵬の「三本締め」を拒否したおっさんの自由と同等なのである。