遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

素晴らしき相撲解説/元稀勢の里・荒磯親方

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関西の春は大相撲の大阪場所と東大寺のお水取りとともにやってきます。(この季節、毎年同じ文章を書いています。)

大相撲は7日目が終わり、白鳳と逸ノ城のモンゴル勢が全勝で並走しています。逸ノ城は昔から気にかけている力士ですので、そろそろブレークして大関横綱まで突っ走ってほしいところです。

逸ノ城角界の巨漢カテゴリーに属していますので、精神力さえ充実していれば大きく化けると思います。頑張ってほしいところです。

貴景勝は、ここまで5勝2敗とまずまずの成績で、大関取りの場所を進んできました。まず早く勝ち越して、星を上積みして大関になってもらいたいものです。

さて、今日のNHKの相撲中継の解説者は、元横綱稀勢の里の荒磯親方が初めてつとめました。

背広姿で緊張した面持ちの解説デビューでしたが、とてもよかったと思います。本人はデビューの自己採点をして全然だめだったとインタビューに答えたそうですが、私は十分に合格点に到達していたと思います。

彼は引退したばかりの良きプレイヤーで、その観点からの技術的なことや、何よりも力士一人一人の特質や長所を知り抜いていて、そのことをしゃべってくれるので、すこぶる面白い放送になりました。

また荒磯親方の個々の力士への思い入れがそれぞれ温かいもので、そのことにも感動しました。現役の力士は、録画で自分へのコメントを後で見たとしたら、元気づけられるでしょう。貴景勝の力強い勝ち方の解説と、彼を素晴らしいと称賛する親方のコメントこそ、若手を育てる言葉そのものだと思いました。

テレビ桟敷で無責任なことを言っている我々視聴者は恥ずかしくなるほど、現役力士の多くは、体を張って命を懸けて土俵に上っているのであります。

今場所荒磯親方は、場内整理のような協会の仕事をしていて、花道のあたりにその姿をよく見ます。(画像)元横綱でさえも、土俵を降りたら、新米親方として一からのスタートのようです。

仕事の合間に、また解説席にやってきて面白い話を聞かせてほしいものです。