遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

2021年大相撲夏場所総括

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大相撲夏場所は、場所前の大方の予想通り照ノ富士の優勝(賞金1000万円)で幕を閉じた。

千秋楽の時点での2敗は、照ノ富士には不運の負けだった。

相手の髷(まげ)をつかんでの反則負けは、指が髷に入ってしまった不運だったし、物言いで長い協議が続いた遠藤に負けた相撲も「同体で取り直し」でもよかったんじゃないかと思える惜しい相撲だった。

なので、今場所は照ノ富士の実力が他を上回っていて、勝負に負けたのは千秋楽の貴景勝戦だけだった。大ケガをして地獄から這い上がってきて大関に返り咲き、二場所連続優勝というのは、文句のつけようのない立派な成績だ。来場所は横綱に挑戦だ。アッパレ!

個人的には、貴景勝(24)を応援していたが、千秋楽の本割で勝って優勝決定戦まで持ち込んだので健闘に値する活躍だった。優勝決定戦では、本割で一度使った捨て身の技で勝負できなかったことで、実力のある照ノ富士に軍配が上がった。

貴景勝も、照ノ富士と並走して、横綱を目指してほしい。貴景勝の取り口は、照ノ富士の相撲スタイルと全く別物なので、対照的な横綱が誕生するというのも面白いと思う。照ノ富士が29歳なのに対して、貴景勝はまだ24歳。ケガなく精進を続けてほしいものだ。

そして、十両優勝(賞金200万円)した宇良(28)もよくやった、アッパレ!

照ノ富士と同じく、大ケガをして番付を落としようやく十両に戻ってきての優勝だった。足の調子が心配だが、来場所は幕ノ内に昇進するので楽しみだ。活躍してほしい。

それから、大鵬の孫で貴闘力の息子王鵬(21)も十両で勝ち越した。2連敗スタートだったので勝ち越しは無理かと思ったが、何とか粘って8勝に届いたが14日目に足を痛めて千秋楽は休場となった。何とかけがを早く治して大きな力士ななってもらいたい。

そして最後に大関朝乃山(27)についての心配ごと。

今場所はカド番でずっとハラハラしてみていて、あと一番で勝ち越しと言うところで「文春砲」に撃沈させられてしまった。カド番で大関陥落どころか、十両まで番付は下がってしまいそうだ。私の横綱候補ナンバーワンだっただけに、悲しい。

貴闘力YouTubeで知ったことだが、朝乃山が所属する高砂部屋は親方の相続問題でいろいろあったようだ。朝乃山の慕っている親方が、次の高砂親方候補だったにもかかわらず、一晩でそれが覆ってしまったようで、朝乃山はそれが相当ショックだったんじゃなかろうかと私は思っている。精彩を欠いているのは、新しい親方になって以降のことだからそう思っている。

不祥事は起きてしまったことなので、もう仕方のないこと。初心に戻って稽古に精進して、多くのファンのためにまた大関に返り咲いてほしい。ガンバレ!

ということで、大相撲夏場所の感想記事でした。