遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

踊る阿呆に見る阿呆/阿波「総踊り」

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私の日本三大祭り。
 
青森のねぶた。博多山笠。徳島の阿波踊り
 
ねぶたは男女がラッセラーと飛び跳ね、山笠はオイサッと男が走り、阿波踊りはヤットサーと男女が踊る。
 
どれも実際には見たことがないが、どれも人出が多そうで映像で見るだけで我慢している。
 
その一つの阿波踊りが、今年はどうやらケンカ祭り(笑)になったそうで、夏を前にワイドショーでいいネタを提供していた。
 
徳島の観光協会が、阿波踊りの見物人のための桟敷席の収益(益はなかったようだ)の20年ほどの累積赤字が4億円に膨らんだことで、阿波踊りの運営を徳島市に丸投げしてしまったことがケンカの発端のようだ。
 
運営を任された徳島市は、現場の踊り手の「連(れん)」と呼ばれる複数のグループの意見を聞くこともなく、阿波踊りのクライマックスの「総踊り」を中止し、総踊り以外の桟敷にも人が呼べるように運営方針を変えてしまったのだ。
 
これに、祭りをつかさどる現場の「連」は猛然と反発し、独自で総踊りを企画してやると市に売られたケンカを買った。その総踊りは8月13日に、徳島市に無許可で実施されたようで、1000人を超える総踊りの踊り手は、桟敷のない場所でゲリラ的だけど秩序のある踊りを披露していた。
 
たしか徳島は、宮崎と並んで国宝が一つも存在しない県だと思うが、この阿波踊りは国宝以上に素晴らしい徳島の誇りだと思う。その国宝級の総踊りを、あろうことか徳島市長が力づくで廃止させるとは、許せない暴挙ではないだろうか。バックに地元新聞社がいて、阿波踊りを収益源にしようとしているとか、さまざまな憶測も飛んでいるようだ。
 
人気の阿波踊りを収益に結びつけられなかったのは、観光協会の運営のまずさが原因で、20年もの間に何とかできなかったものかと思ってしまう。確かなことは、踊る人たちには何の責任もないことなのだ。彼女たち彼らたちのパフォーマンスは、お金を払ってでも見るべきものだと私は思う。
 
今年の阿波踊りは、徳島市にどれだけの収益が上がるのか見ものだが、独自に総踊りを実行した複数の「連」抜きでは、累積赤字がさらに膨れたりして、踊る阿呆に見る阿呆に加えて、阿呆がもう一つ増えることになるのではないだろうか。
 
以下、昨年2017年の総踊りの動画(13分30秒)。鐘、笛、太鼓、三味線、踊りのコンビネーションが天下一品であります。
 
  徳島市阿波おどり2017初日総踊り!!総踊り4Kフルバージョン!