遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

日大は学校を挙げて不祥事を解決すべき

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私がアメリカンフットボール(アメフト)に興味を覚えたのが1970年代。
70年初期から80年代後半にかけての甲子園ボウル全日本大学アメリカンフットボール選手権大会決勝戦)は、常に東日本代表の日本大学と西日本代表の関西学院大学の両校の対決だった。

80年代までは、社会人のアメフトはまだ盛んではなく、学生チャンピオンが実質日本チャンピオンで、甲子園ボウルが日本のアメフト競技の頂点であった。

その後、両校以外の各大学が実力をつけて甲子園ボウルに出場する時代になったが、優勝回数は関学が28回、日大が21回と、3位の立命館大学の8回優勝に大きく水をあけている。つまり、関学と日大は日本のアメフト会をけん引してきた両雄でもあった。

先日(5/6)、西宮で行われた1967年から続く両校の定期戦で、関学クォーターバック(QB)が、パスを投げた後に、日大のディフェンスの選手にタックルを受けた残酷な映像がテレビニュースで何度も流れていた。無防備な関学のQBに、背後から明らかにプレーと関係のない故意のレイトタックルを行っていた。

この試合で、この日大の選手はラフプレーを3度も犯し、退場になっていたが、当選手は「監督に相手のQBにケガをさせろ。責任は俺がとる」と言われてその通りにプレーしたと関係者の事情聴取で答えているという。

日大の監督は、まだ正式に会見をしていないようだが、これが事実なら、監督は永久追放で、日大は当面休部すべきだろう。

日大OBのNHKの解説者をはじめ、現役やOBの名だたる選手やアメフト協会も「ありえないプレー」だと異口同音に怒りや嘆きをあらわにしている。

私はあのラフプレー映像を見て、かつて関学の実に優秀なQB猿木氏が、関西リーグの試合で負傷して下半身不随になり、その後車椅子生活を余儀なくされたことをすぐに連想した。幸い今回は大事に至らなかったが、日大のラフプレーは、一歩間違えば重大な犯罪行為をグランド内で敢行したことになっていたのだ。

戦後の日本のさまざまなスポーツは、その精神性がまるで軍隊のようなところがあり、数々の不祥事や暴力問題が取りざたされてきた。自殺までした若い選手も何人か記憶の中にいる。指導者や上級生の暴力行為は、いまだに後を絶たない。

スポーツ庁がその統制をするのか何だか知らないが、同じスポーツをしている諸外国の清い例を見倣って日本を美しくて強いスポーツ王国にすべきだろう。

さまざまな競技であまたの優れた選手を輩出した日大だからこそ、今回の不祥事は看過できないはずである。日本大学は、アメフト部はもちろん、学長以下全校を挙げて、今回の不祥事についての解決策と今後の取り組みについて、緊急記者会見で明らかにすべきであろう。その解決策とその実行に期待している。