昨日行われた兵庫県知事選の投開票。現職で失職した前市長斎藤元彦が当選しました。しかも「ゼロ打ち」当選でした。
いなむら和美候補を応援しながら、まさかまた斎藤が当選するのか?、いや絶対無理やろ、と思って今回の選挙を見ていましたが、何かが狂ったまま最後まで来てしまいました。残念。
狂っているといえば、そもそも前知事とその側近による県政がむちゃくちゃなことしていたことからの不格好な選挙戦だったにもかかわらず、また同じ知事が再選されたわけです。県庁や県議会と、県民との温度差はかなり乖離があったようです。
隣の大阪から見てると、維新でさえ表向きは支援支持しなかった知事だったし、3月以降の斎藤知事の記者会見や県会の百条委員会を見ていると、知事になるべき人間ではなかった斎藤だと思っていたのですが、3年間の斎藤県政は多くの県民に支持されていたというアンケート結果には驚愕しました。
斎藤県政の実績や公約は、はたして実態があったのかどうか、県民が騙されているのだと、今でも私はそう思っていますがどうだったのでしょうか。
上は投票日のNHKによる出口調査結果ですが、「政策公約」「改革姿勢」「経歴実績」で斎藤が支持されている傾向は、驚愕に値する結果です。
県民には失礼ですが、物事をきちんと見る目があるのか?と疑ってしまいますが、他の候補者との相対比較ではこのような結果になるようですね、そうですか。
そのうえで、投票は何を参考にしたかを見ると、SNS動画サイトがトップです。これは頷ける結果で、いまや新聞とテレビとそれらを凌駕するネット動画からの情報を参考にしているようです。ただし、そのネット情報を鵜呑みにするかどうかという問題が、物事をきちんと見る目があるのか?という疑問に回帰してしまいます。
金で動いたのか義侠心が働いたのか斎藤の涙目の会見で心が動いたのかその原因は分かりませんが、雨後の筍のようにYoutuberが現れ出でて、斎藤エライみたいなクズ動画が「Youtubeのおすすめ」に行列をなしていましたから、それを見て判断したんでしょうかね。
そもそもが、斎藤がなぜ失職したかというニュースや、公益通報関連の百条委員会の動画やそのハイライトさえ見ないで、選挙前のSNSに感化されて投票行動の参考にしたということなのかもしれません。
都知事選の蓮舫や米大統領選のハリスや衆院選の有田芳生の選挙作戦が、ネット社会の時代背景からすこし外れているものだと感じていたのですが、今回のいなむら和美陣営の選挙戦も同じ感想を持ちました。街宣や辻立ちをサブにしてメインはSNSでゴリゴリ押していく作戦が欲しかったかなという感想です。
都知事選の石丸や今回の斎藤のあの中身のない演説は噴飯ものですが、「短くて意味ありげな演説」をたくさん打つことで、勘違いする有権者を多く惹きつけることもできますし、そもそもが演説の中身よりイメージですしね。
なので、繰り返し見ることのできるSNS動画などで、深くてまっとうな強い政策を訴えた方が効果的だといつも思うのですがいかがでしょう。みな忙しくてじっとしておれない人が多いしスマホは高校生から老人までほぼ全員が持っているのですから。
なので街宣では、笑顔を見せて声を聞かせて、短時間で次の行動を起こす方が、効果的だったように思います。「きょう、いなむらさん見たわ。好感度抜群だった!」でいいのではないでしょうか。
嘘八百をならべても、効率的な作戦を組み立てることに長けていた斎藤陣営の作戦が、功を奏したのかもしれませんから、清潔で高貴な稲村和美の作戦は、多忙な庶民向きではなかったかもしれません。
結果は残念でしたが、今後、件の百条委員会の情報が漏れたこと、自殺された職員さんお二人がパワハラを受けていなかったか(優勝パレードにかかる寄付金とキックバックの因果関係、元局長に関わる個人情報保護違反の有無・あるいはPCの記録をもとにした脅迫まがいのパワハラや名誉棄損)などが告発対象となって、裁判による真相究明がなされること想定されますから、引き続き百条委員会や第三者委員会に注目したいところです。
いま何かの裁判で執行猶予中の立花孝志は、ひょっとすると今般の選挙活動中の言動や行為が原因で収監されるかもしれないので、それもとても楽しみであります。また、立花は新たに告訴される可能性もあるので、それもまたとても楽しみです。
ということで、いなむら和美候補は少しの差で惜しい選挙結果でしたので、これからも清廉な市民のために清潔な政治家として活躍してほしいと衷心から願っておる今日この頃であります。
◆兵庫県知事選選挙結果
▽斎藤元彦(無所属・前)111万3911票 当選
▽稲村和美(無所属・新)97万6637票
▽清水貴之(無所属・新)25万8388票
▽大澤芳清(無所属・新)7万3862票