それはさておき、比較的政府に批判的な立ち位置の報道ステーション(報ステ)とサンデーモーニング(サンモニ)は、常に上位5位以内の高視聴率をマークしている。関西ではサンモニと報ステが常に15%前後の視聴率をはじき出しているのだ。
安倍政権に批判的な風力は「東高西低」のようなのだが、このふたつの番組の視聴率が関西で高いことが少し不思議にも思える。
たとえば全国で15%の視聴率だと、1500万人が見ているという説がある。1%で100万人が視聴というわけだ。だとすると、日曜日の朝8時から、実に多くの人がサンモニを見ていることになる。
私はこの番組の、ほぼすべてのコメンテーターの意見を「同感だ!」と思いながら見ているのだが、1500万人の視聴者はどうなんだろうと、どう考えているんだろうと不思議に思う。
その高視聴率番組サンモニのアンカーマン的存在だった、岸井成格さんが亡くなられた。彼の長年の権力に物申すジャーナリストとしての姿勢は、サンモニや「NEWS23」といった番組を通して、多くの視聴者に共感を呼んだ。
サンモニの司会をしている関口宏が、岸井さんに会った時に「『何か言いたいことない』って聞いたらね、一生懸命、彼は声に出そうとして、『たるんじゃったな、みんな』って言ったのを覚えています。あれが最後に聞いた彼の言葉だった。残念です」とテレビのインタビューで話していた。
まったく、日本中が「たるんじゃった」状態で、岸井さんも残念だったことだろう、ご冥福を祈りたい。