遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

100分de名著/ハンナ・アーレント「全体主義の起源」

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朝日新聞の日曜書評欄で、三省堂調べの文学・ノンフィクション部門の「週刊ベスト10」の7位に、NHKテキスト100分de名著ハンナ・アーレント全体主義の起源」がランクインされていた。

Eテレの9月の「100分de名著」は、ハンナ・アーレントの「全体主義の起源」が取り上げられると知って、私は予約録画をした。映画「ハンナ・アーレント」で、彼女のことを少し知ったので、さらにもう少し深く知ろうと、テキストなしでこの番組を見ている。

トランプ大統領誕生以降、アメリカではジョージ・オーウェルの「1984」やハンナの著書がベストセラーになっていると聞くが、現に日本でもハンナ・アーレントを扱ったNHKの放送テキストが売れているというのは、どういう現象なのか興味を持った。

どういった人たちがこの放送を見ているのだろうか、仕事や稼業や学業やオンラインゲームや恋愛や飲み会に忙しい人たちがこの放送を見ているのだろうか。感心だ。

すでに第1回の放送は終了し、今日9月11日が2回目の放送になる。(放送時間午後10時25分~10時50分)

1回目は、ハンナの紹介やドイツとユダヤ人の歴史などの紹介だった。「全体主義の起源」を今後おそらく読むことはないだろうと思われるので、25分×4回の100分の放送教室に入室してお勉強している。

番組では、いままた世界に芽吹いてきた全体主義を認識した立ち位置から、ハンナの視点で地球上の彼方此方のなんだか薄気味悪い世界情勢を俯瞰しようとしている。
NHKの良心ここに健在と言ってもいいだろう。


ハンナ・アーレント全体主義の起原』 仲正 昌樹 (その他著)  (100分 de 名著) 

内容紹介
悪は凡庸さのなかにある
ナチス・ドイツによるユダヤ人問題の「最終解決」。それはある時期のある地域に特有の問題だったのか? それとも──。ナチスの迫害を逃れた一人のユダヤ系ドイツ人の著書を通して、排外主義的な思潮や強権的な政治手法が再び現れつつある今、「人間にとって悪とは何か」「悪を避けるために私たちはどうすべきか」を考える。

NHK 100分 de 名著 番組サイト