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あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

有りもせぬ事を言いふらすと処罰されます/関東大震災

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小池百合子が、関東大震災朝鮮人犠牲者への追悼文を送付することを取りやめた。 
定例記者会での、
「虐殺の背景には民族差別があり、特別に追悼の辞を述べる意義を見いだせないか」、との質問には
「民族差別という観点というよりは、災害の被害、さまざまな被害によって亡くなられた方々に対しての慰霊をしていくべきだと思っている」と述べた。

小池も、いよいよ隠した爪が出てきている。災害で亡くなった方々と、生き永らえたのに殺害された朝鮮人は全く別のことで、ひょっとして「朝鮮人虐殺」をなかったものとして、その事実を葬り去ろうとしているのではないかと疑われても仕方がない。

記事冒頭の画像は、どなたかがツイッターに貼り付けてくださった、当時の警視庁のお触れ書きである。

《ありもせぬことを言いふらすと処罰されます。
朝鮮人の狂暴や、大地震の再来がある、囚人が脱獄したなどと言い伝えて処罰されたものは多数あります。
時節柄、皆様注意してください》

ようするに、「朝鮮人が暴れているなどというデマを言いふらすと、しょっぴくぞ」と、警視庁も言っているわけで、それが事実認識だとうかがえる当時のビラである。

話は少しそれるが、都民ファーストの都議への言論統制は、極右政党のようにいかがわしい。都民ファーストの各議員にアンケート調査やインタビューを依頼しても、党本部指令で各議員は無言を貫いている。秘密結社のように不気味な政党で、小池百合子の言論思想統制は、魔女のようである。

そして、今回の追悼文拒否なのである。

選挙民に選ばれて都知事になったのだから、個人の意見や思想は好きにしたらいいと思うが、関東大震災での民族差別事件にかかる歴史認識を否定するなら、その他の歴史にも修正を唱えたいのだと認識されることもいとわないということだ。それはそれで、一般国民(都民だけじゃない)は、小池百合子一挙手一投足を観察する必要を感じているはずだ。

そんなことで、2020東京オリンピックパラリンピックが開催できるのかどうかも興味深い。小池知事の歴史認識や人種差別認識に抗議して、オリンピック・パラリンピックをボイコットをする国が出てきたら、これまた新たな障壁が出てくる。別に誰も困らないだろうけど。

関東大震災朝鮮人犠牲者への追悼文取りやめ 小池知事

関連ツイート
■異邦人‏ @Medicis1917
関東大震災からもうすぐ94年を数えるが、小池百合子の追悼文提出拒否に関連して、愛国心過剰な歴史修正主義者が震災当時のデマを真実だと吹聴し、朝鮮人虐殺を捏造だと言い張っているのは非常に見苦しい。当時の警視庁が撒いたビラがまだ役立つというのは正直言って異常。

■Nobuyo Yagi 八木啓代‏ @nobuyoyagi  
 数日前から、Wikipediaの「関東大震災朝鮮人虐殺事件」が執拗に削除依頼されている。歴史修正主義の波はすごい

■チキささ‏ @c_ssk  
都知事が追悼文を拒否し、在特会系団体の悲願だった朝鮮人虐殺を否定する集会に都立公園の使用許可が降りる。明らかに恐ろしい流れが来ている。

■kog‏ @murekinnoto  
 関東大震災の折、群馬県に住んでいた萩原朔太郎が、同県内で起こった藤岡事件への怒りから震災の翌年に発表。同事件では、デマを信じた自警団によって17人の朝鮮人が殺害された。

■清水 潔‏ @NOSUKE0607  
 今度は関東大震災での朝鮮人虐殺は「なかった」ことにしたいらしいが、当時の警察の記録や、裁判資料、新聞報道から書き起こされた吉村昭氏のこの本は必読。関東の多くの場所で次々に発生した朝鮮人虐殺に長く触れている。
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