遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

窓/アンリ・マティス

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デトロイト美術館展 (大阪市立美術館 会期 2016年9月25日まで)より、マティスの作品のご紹介。

本展では、上記の画像のように、左から「コーヒータイム」(1916年)、「窓」(1916年)、「ケシの花」(1919年)の、3点のマティス作品が展示されました。

例によって、水彩のようなサラサラ感のある質感で、女性や室内や花などを描き、多彩なモチーフと鮮やかな色彩でわれわれの目を楽しませてくれます。

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「窓」は、比較的大きな作品(146×117㎝)で、黒い線でふち取りしたイスやテーブルやじゅうたんや静物を単純化して配置し、それらや室内の内装を落ち着いた鮮やかさがあるブルーグリーンで装飾した画風が涼やかです。上品です。

制作されてちょうど100年経ちますが、その息遣いはいまも健在です。この作品の額装したポスター、誰かプレゼントしてくれないかなと思います。

マティスには、室内と窓と子飼いの景色を描いた作品が少なからず残っていますが、淡い色彩の作品と原色に彩られたものがあります。私なら、夏場(6/1~9/30)は本作「窓」を額装して、たとえば「大きな赤い室内」のような原色系の作品は、冬場に飾ろうと思います。

マティスの作品とはさまざまなシーンで遭遇しますが、いつも期待を裏切らない愉しい作品で、ありがたいことであります。

会場で会った母子と思しきご婦人ふたり。お母さまが娘さんを小声で呼びます、
「ほら、マティス!」