遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

永遠に「敗戦」が続く国で/田村淳(ロンブー)

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永遠に「敗戦」が続く国で  田村淳 (ロンドンブーツ1号2号
ポリタス2015年10月2日より

田村淳が「ポリタス」で、敗戦国日本はいつまでアメリカにひれ伏しているんだろう、とやわらかい疑問を投げかけている。

《日本人は「敗戦国である」という戦後背負わされた重い荷物をまだ降ろすことができていません。簡単には降ろせないからこそ、日本人は特有のあいまいさでこの問題と向き合うことを極力避けてきたのだと思います。》
《沖縄の基地問題などを見てもわかるように、敗戦国としての問題は時間が経過したことで、むしろややこしくなっていまも続いています。》

彼は、六本木にある米軍のヘリポート(画像)の存在や、沖縄の基地問題などを例に挙げて、日本はまだ敗戦国としての負の遺産を背負い続けている。それでいいのか、もっと考えてみませんかと問いかける。

彼は41歳の芸人だが、彼のこの文章を読めば、単なるおちゃらけ芸人ではないことがうかがい知れる。41歳の、問題意識を持った人間だということを示している。自身35歳を過ぎて、敗戦と戦後を考える人間になったとここで書いている。

今回の安保法制についての自分の立ち位置については、田村は明記していないが、同じ敗戦国なのにドイツやイタリアと日本はなぜこんなに違った国になったのか、負のバトンを未来に残していいのか、皆で考えていきましょうよと結んでいる。立派な問いかけである。

敗戦を機にきちんと生まれ変われなかった日本は、平和憲法を避けるようにくずぶったままになっていた「残り火」が燃え盛ろうとしている。敗戦の歴史が悔しくて悔しくてたまらない連中が残り火をフーフーと吹いているのをご存知であろうか。いまなら皆ご存知であろう、その「残り火」を連帯してしっかり消そうとされているのだから。がんばりましょう。