遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

選挙とは「ろくでなしの中からマシなやつを選ぶ」こと

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「誰も政治を教えてくれなかった」人たちへ 

出口治明は、テレビの「久米書店」という番組ではじめて出会った。番組には自署の紹介で出演されたのだが、三重出身で京大卒で日本生命勤務(本社は大阪市)という経歴から来る関西言葉のイントネーションと大らかで嫌みのない知的な雰囲気から、とても好感の持てるお方であった。

その出口さんが、ご自身の若者向けの経済書から引用したものを、「誰も政治を教えてくれなかった人たちへ」と編集してポリタスに寄稿された。

短くてやわらかくて頭に染み入ってくるような文章で、政治への対峙の仕方や選挙権を行使することの大切さを教えてくれる。

格差と教育の現実、日本の教育支援の貧しさ、政治を教えない日本の学校、選挙での意思表示のやり方などが実に分かりやすく書かれている。

自分で稼いだ金が楽しく使えるように、また納めた税金が広く社会の役に立てるように、政治家を監視し、選挙でろくでもないやつを落選させることが民主主義なのだ。
ほんのちょっと忍耐が必要なのだが、納めた税金をろくでもない政治家にネコババされないためには選挙で投票するほかないのである。

(以下抜粋)
「選挙に出たいやつなんて、ろくでなしばかりだ」
「選挙に出るやつなんて、金儲けしたいやつか、目立ちたがりのやつばかりだ。まっとうなやつは選挙になんか出ない」
「選挙とは、いまの世の中の状況で、ろくでなしのなかから誰に税金を分配させたら相対的にマシになりそうか、消去法で選ぶ行為のことだ。選挙とは要するに忍耐である」(以上、チャーチルの言葉)

選挙に行かないのは、完全服従の証です。みなさんの税金がどう分配されようと、将来年金を払ってもらえなくても、医療費負担が10割になっても、決して文句は言いませんよ、という意思表示そのもの。つまり、選挙に行かずに「不安だ」と言うのは、テスト前に勉強をせずに「悪い点数を取ったらどうしよう」と布団にくるまっているようなものなのです。

政府は、みなさんが選挙に行って、みなさんがつくるものであって、みなさんの対立物ではないのです。