遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

よくぞ守った→酒とタバコは20歳から

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「18歳」成人、了承見送り=飲酒、喫煙に異論―自民特命委
 自民党の成年年齢に関する特命委員会(今津寛委員長)は2日、民法成人年齢や飲酒、喫煙を可能とする年齢を18歳に引き下げる提言案をまとめ、同日の会合で提示した。
 しかし、出席した議員から、飲酒や喫煙の健康被害や生徒指導を懸念する声が噴出し、提言案の了承は見送られた。
(時事通信 9月2日)

この「見送り」は評価できる。この提案をした自民党の特命委員会に、呆れてものが言えない。そもそも何が狙いなのかがよくわからない。

選挙権年齢を下げて、早くから政治参加してもらうのは、それはそれで理屈が通る。しかし、喫煙や飲酒年齢を18歳に引き下げる意味は何なのだろう。経済活性化なのだろうか。「大人・成人=酒・たばこ」という図式が前近代的で、式の右辺にはもっと多様性があることに気づかないのが自民おっさん党。

喫煙や飲酒について年齢が制限されているのは、若年層から健康被害を少なくするためなのだ。喫煙も飲酒も「依存」がつきもので、若年層でそれを解禁すると「依存」人間を増加させることにも繋がる。そんなことも想像できない自民党の特命委員会。存在自体が無駄である。

TVドラマで喫煙や飲酒シーンを放送したり(喫煙はもう禁止かな?)、酒類のCM(しかも、うまそうにビールを飲むCM)を流したりするのも先進国としての日本の恥部。さすがにタバコのCMは、TVや自動車レースの広告塔からなくなったが、それも国際的潮流に沿った対応だった感がある。

私はすっぱり禁煙をしてもう7年くらい経つが、いまだに他人がタバコを吸うシーンに胸騒ぎを覚え普通に見られない。依存から抜けることは、たとえタバコでも大変なのだろうと容易に想像できる。酒・タバコがもたらす(高揚感による犯罪・飲酒運転・失火・依存症など)であろうある種の社会的コストも考慮すべきだろう。わざわざ解禁年齢を下げてまで酒とタバコを若者に法的に開放することはないと思う。

それと、今国会では不成立になる「カジノ法」も不必要。「てら銭(税収)」ねらいの政策なんだろうが、まだ国民から金を巻き上げようという気なのか。さらにギャンブル依存患者を増やすと、これまたいろいろリスクが出てくる。そんなことより、たとえば、爆買い外国人に今よりさらにお金を落としてもらえる方策を考えた方が健全で、社会が活性化する。

先の総選挙で思いがけず大勝をした自民党は、国会議員の資質を備えないまま議員になった「駆け込み派」が沢山いるのではないだろうか。ボスによいしょするだけで、国民の方を向いた政治家としてのセンスも矜持も持っていない。