遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

水を飲んだので報告します、以上。

イメージ 1

運転士、水飲んでも報告不要! JR東海が規定見直し 
 電車の運転士らに熱中症とみられる症状が相次いだため、JR東海は乗務中に水分を補給した際に義務づけていた報告を不要にした。今月から在来線で始めている。
 JR東海の乗務員は停車中に水分補給が認められているが、飲んだ場合、乗務中の無線報告と業務終了後の報告書の提出が義務づけられていた。飲んだ時間や場所、理由や乗客の苦情の有無も記していた。
 ところが5月下旬、東海道線で運転士や車掌が熱中症とみられる症状で搬送され、電車が緊急停止して乗客が閉じ込められるなどの事態が続いた。このため、報告を不要にして水分補給を促すことにした。
(デジタル朝日 2015年6月7日)

誰が何のためにこんな規則を作ったのだろう。
乗務中に水を飲んだら、無線で報告し業後に報告書の提出が義務付けられていたとは驚きだ。「停止線をオーバーしてバックしました」報告と同等だ。
これでは、多くの乗客の命を預かる運転士に「水を飲むな」と言っているも同然の規則。

乗客の苦情があってもなくても、運転士や車掌が水を飲み体調管理をすることの方が電車の運行にとっては重要。そのことを想像できない人間たちが、こういう規則を作ったのだろう。

JR西日本では、乗務員の罰則ともいうべき「日勤」を免れようとして、電車の遅れを取り戻そうとスピードを出し過ぎた福知山線の電車があの大事故を起こした。どんな形にせよ、運転士に必要以上のプレッシャーやストレスをかけることがリスクだとわからなければ、旅客運輸業は務まらないのではないだろうか。

停車中に水分補給をすることは、人間として当然の権利だし、嗜好品を補給したわけでもなく、それについて報告することも必要のないことだ。報告が面倒だからと水を飲まなくて搬送された運転士や車掌が、身をもってその規則のレベルの低さを証明してくれた。それにしても、大事故につながらなくてよかった。

JR東海は、その間違いを正したことは、ま、何はともあれ偉いと思う。