遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ピカソ・人権侵害・FIFA汚職/カタール

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ピカソの絵画 カタールが落札か
20世紀を代表する画家、パブロ・ピカソの絵画「アルジェの女たち(バージョンO)」が11日、米ニューヨークで競売にかけられ、手数料込みで約1億7900万ドル(約215億円)の値がついた。競売を実施したクリスティーズによると、オークションにかけられた美術品としては史上最高額という。 カタールの関係者が買ったと推測されているが、公表されていない。(朝日デジタル 2015年5月12日)

カタールW杯のドキュメンタリーを撮っていた記者2名が逮捕されていた
『西ドイツ放送(WDR)』は「2022年ワールドカップにまつわるドキュメンタリーを撮影していた2名の記者が逮捕、拘留され、撮影機材や通信機器を没収されていた」と発表した。
以前から大きな問題となっているカタール開催の2022年ワールドカップ。入札に関連して行われたとされる汚職、建設現場における人権侵害、さらに酷暑から来る日程など、これまでにないほどの批判を受けている。(football webmagazine 5月4日)

カタールで取材のBBC記者ら拘束され W杯開催国で
2022年のサッカー・ワールドカップが開かれる中東カタールで、競技場などの建設に-多くの移民労働者が使われています。政府が案内する移民労働者の快適な待遇と、それ以-外の劣悪な状況を取材したBBC取材チームがいきなり逮捕され、2晩にわたり拘束されました。BBC News Japan 5月18日)


カタールオイルマネーで美術品を高値で競り落として、自国の国立博物館で展示しようという動きなのだろうか。たしかにピカソの作品は素晴らしいが、215億円の落札価格はすごい。
ピカソセザンヌの絵やジャコメッティのブロンズ象には、ポンと大金をはずむのに、ワールドカップの会場建設現場での搾取や人権侵害は弾劾されるべきだろう。金の使い方が貧しい。
また、W杯会場の取材チームを秘密裏に尾行し続けて、人権侵害を取材している節があるドイツとイギリスの取材チームを逮捕拘束したのである。取材用機材は戻っていないと報道されている。このことは日本ではあまりニュースになっていないが、カタールは、「人権侵害」と「人権侵害の実態を取材するチームの拘束」という二重の過ちを犯している。

そして最も新しいニュースが、FIFAの幹部の汚職と逮捕。

FIFA副会長ら7人逮捕 W杯放映権など巡り収賄容疑
国際サッカー連盟(FIFA)幹部らが、ワールドカップ(W杯)の放映権を含む商業上の権利や開催地の誘致などをめぐって賄賂や見返りを受け取ったとして、米司法省は27日、FIFAの現役副会長2人を含む計14人を組織的不正などの罪で起訴した、と発表した。スイス当局は同日、米国の要請に応じ副会長2人を含む起訴されたうちの計7人を逮捕。賄賂の受け渡しに使われた可能性があるスイス国内の複数の銀行口座の凍結を命じた。(朝日デジタル 2015年5月28日)

このニュースは、今後、前代未聞のスキャンダルになるだろう。W杯開催国決定やFIFA会長選挙にかかる収賄なども捜査対象に挙がっているという。
2022年にカタールで開催されるW杯は、招致のための黒いカネが動いていたのかもしれない。灼熱の砂漠でサッカーですか?と言いたい。しかも、独断でFIFAはカタールのW杯を冬季に開催するという暴挙に出た。
サッカーのオンシーズンは冬季で、ヨーロッパは、自国のサッカーリーグの真っ最中にW杯にスター選手を持って行かれることに立腹している。

FIFA幹部の逮捕を機会に、人権侵害も問題視されていることだし、日本やヨーロッパの冬の楽しみを希薄にさせる12月の開催も問題だし、W杯のカタール開催を見直してもいいだろうと私は思う。