遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

75回目の終戦の日「戦争、人権侵害、独裁」に抗うことを誓い 黙とう

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きょうは75回目の終戦の日です。

1945年8月15日の今頃、軍人や官僚たちは機密文書を必死の思いで焼却していました。市ヶ谷の陸軍省の裏庭には8月14日から書類を焼く煙が絶えなかったそうです。いまの政府は、データベースは自動的に削除されますとごまかしたり、そもそも大事な文書をはなから作成しないという体たらくでが、当時の政府は東京のど真ん中で機密文書を野焼きしていました。

昨晩は「となりのトトロ」を地上波で放送していました。3歳女子と1歳男子の孫たちは、トトロが大好きで、何回も見ているようです。私の娘たちも私の録画した「トトロ」のビデオテープを何回も再生して楽しんでいました。

高畑勲の「火垂るの墓」は、宮崎駿の「となりのトトロと同時上映だったと妻情報。妻はその情報を口にする直前にそのことを知ったようで、その直後に知った私も驚きの情報でした。諸般の事情で2つの名作は同時上映だったそうですが、黒澤映画で例えると「用心棒」と「椿三十郎」を同時上映するようなもので、大盤振る舞いの同時上映だったようです。

ところで、「トトロ」は何度も繰り返し見ていたわが娘たちでしたが、私はあえて「火垂るの墓」は娘たちには封印していました。いつか自然に目に触れればいいかと思っていました。戦争悲劇のすべてが詰まった「火垂るの墓」を、幼少期に見せたくないとも思ったのでした。

娘たちはいつの間にか「火垂るの墓」を見ていたようでしたが、感想を聴くことなどしないでスルーしていた私でした。あの映画を見たなら、戦争悲劇を体にしみこませて成長するだろうと勝手に思っていました。はたしてそうなったのかはまだ確かめていません。

私は40歳前後だったでしょうか、野坂昭如の原作を読む前にジブリ作品「火垂るの墓」を見てしまいました。人生で一番泣いた映画でした。

私に戦争体験はありませんが、その焼け跡の残り香を嗅いでいる世代でしたし、平和憲法下の教育で間接的な平和教育を受けてきた世代ですので、少なくとも日本は二度と戦争をしない国であってほしいと願って今日まで来ました。

憲法学者の木村草太教授は、「憲法、国家が権力を乱用し人権を侵害した過去を反省し、国家が犯しがちな失敗をリスト化したものだ。国家の三大失敗とは、無謀な戦争、人権侵害、独裁だ。」とあらゆる場面で発言しています。

75回目の終戦記念日のきょう、天皇陛下のお言葉にも注目ですが、木村教授の言う「戦争、人権侵害、独裁」に傾きそうな現在の日本をなんとか立て直すことを心に誓い戦没者に黙とうを捧げたいと思います。 黙祷