遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

茶番劇場/衆院特別委員会

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新たな安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会。昨日から、NHKの放送でお茶の間に登場。
この茶番劇を昨日と今日の2日間鑑賞。政権の答弁はお粗末で、答弁書を朗読するだけの同じことの繰り返し。国民に向けて、親切に分かりやすく自分たちの考えと、この法案の必要性や目的を説明できていない。説明能力もない人間に、私たち国民はコントロールされたくはない。

中谷防衛大臣の後方に待機する彼の秘書官は、答弁のたびに資料を素早く手渡したりその場で大臣にレクチャーしたりで大わらわ。挙句の果てに、秘書官と話しているうちに質問され、大臣は「もう一度質問してください」と言い出す始末。
中谷大臣は、この法案を今協議したくなさそうに思う。自分以外の誰かが大臣の時に審議してほしかったのじゃないかな。今のままでは、彼の下で自衛隊は機能できないだろう。

安倍首相は、「1000年先のためにこの法案が要る」と豪語したが、そんな1000年の風雪に耐える法案を、1国会の会期だけの短時間に強引に決めてもいいのだろうかと思う。昨日、維新の党の松野代表が「何をそんなに急いで法整備する必要があるのか?」と言っていたが、その通りである。

また昨日は、共産党の志位委員長の質問で、海外派遣された自衛隊員の自殺者が54人だということが明らかになった。それは海外派遣されていない隊員と比べてどの程度の割合なのか、もっと突っ込んで訊いてほしかったが、おそらくそれは少なくない数字だろう。
イラクに派遣され、銃を構えて見張りをしていた自衛隊員が、帰国に精神のバランスを崩して自殺した事例が紹介されていたが、実際の戦闘がなくてもそういった事態になるのだ。それでもリスクは増えないという政府は、人の命を何と心得る。海外邦人の命も自衛隊員の命の重さも、同じ重さだと認識しているのか。

それから、野党にはヤジを飛ばすなと恫喝する安倍首相は、あろうことか辻元委員の質問中に「早く質問しろよ」とヤジを飛ばした。国のトップとして男としてあるまじき行為で、神聖な場で女性に向かってなんと恥知らずなことを言うのだろうか。たぶん、自分のネクタイの結び目ほどには、自分の非礼さを気にしていない男なのだろう。あー情けない。

結局、今度の法案は個別的自衛権の範囲内でいままでと同じオペレーションで対処できると見た。それができないというなら、王道を往く憲法改正しかないのではないだろうか。姑息な戦争法案の審議は、今日も茶番劇場で上演される。