遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

大阪都構想実現せず

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大阪都構想の是非を問う住民投票の結果は、反対が多数を占め、都構想は実現しないことになった。

投票率が66.83%と、大阪市有権者の関心度の高さに驚いた。住民投票投票率が少なくとも50%以上でないと一定基準を満たしたとは言えないことからすれば、今回の投票率は素晴らしいものだった。

今回の投票結果の行政区ごとの賛否の票数を見てみると、人口流動が激しい高層住宅などの多い地域(大阪市の中央部や北部の区)は賛成が多く、昔からの住民が比較的多い地域(市の南部や港湾に近い区)では反対が多かった。それは、「大阪市の存続」が反対派の最も大きい理由だったという事実と、シンクロしていよう。大阪市で生まれて育った人たちが、都構想反対に動いたように思う。

それから、NHKの調査では、高齢者が反対票を多く投じたようだ。高齢者にとっては、住民サービスが低下することを最も恐れていたと思われる。
大阪市がなくなれば、大阪市に住んでいる意味がないということなのだろう。

いずれにせよ、210万人の有権者を対象にした大規模の住民投票は、0.8ポイントの僅差で「都構想反対」との意志表示だったので、その結果がすべてである。

橋下市長は、記者会見で政界を引退すると明言した。今後の大阪市大阪府の政界地図は、どのように塗り替えられるのか、おそらく自民党が台頭してくるのだろうけど、それはそれで困ったものである。

また、「これだけのケンカを仕掛け、命も取られず、明日も変わらず生きていられる。民主主義は素晴らしい、この国は素晴らしい、報道の自由は大事だ」とも述べた。あなたに言われなくてもわかっているけど、民主主義のお嫌いな安倍首相は、今回の結果を見てどういう感想なのかな。都構想賛成票には、安倍批判票も含まれよう。地方都市の怒りが込められているのだ。地方を放置する、中央政治への強烈な批判票なのだ。

橋下+松井は安倍に近いと言われてきたが、維新の党が、反安倍・反改憲としての野党色を強めてくれれば、護憲派としては今回の都構想住民投票の結果は、より満足できるものである。
国政で頑張れ、維新の党(他の野党もガンバレ)。