また、その軽快感は、五月晴れに自転車でゆるやかな坂をゆっくり駆け下りるような感じで、何の引っ掛かりも出っ張りも息切れもない滑らかなメロディに、モーツァルトの天才ぶりがうかがえます。これは、モーツァルトが35歳で亡くなった1791年に作曲された最晩年の作品なのだそうです。
モーツァルトの全ての曲の中でも最上位の人気を誇るこの協奏曲は、二楽章は少ししめやかな感じもしますが、全体を通して溌剌とした楽しい作品で、くせのない万人向けの作品であります。YouTubeには、さまざまな演奏がアップされていますので、お好みで楽しむのもいいかと存じます。
本アルバムには、フルートとファゴットの2つの協奏曲(録音も同時期)も収められており、とてもサービスが行き届いたアルバムに仕上がっています。拍手。