遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

平和の俳句/東京新聞

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本の情報番組「すずらん本屋堂」に、俳人金子兜太(とうた)がゲスト出演して、近著「他界」について話をされていた。
また、朝日俳壇の選者としての話もされていた。毎週はがき5~6千枚に目を通し、10の入選句を選ぶという。95歳の選者は老いてなお健在で素晴らしい。

いま東京新聞(と中日新聞)で「金子兜太いとうせいこうが選ぶ 平和の俳句」という企画で句を募集している。http://www.tokyo-np.co.jp/heiwanohaiku/

1月の入選一覧は以下の通りで、1月23日の一宮の森さんの句が印象的だった。

憲法や兵士とならず古稀となる  森孝行さん(71) 愛知県一宮市
 
  どのような理念のもとで自分は兵とならなかったか。憲法九条の力。
 <金子兜太
  憲法九条の有難さ。これがなければ徴兵されていたかもしれない。
 <私>
  戦後70年で「日本国」も兵士とならずに古稀を迎えられる。憲法に感謝。


平和とは飢えぬことなり根深汁(ねぶかじる)(1月31日)

枇杷びわ)の花戦後生まれのままで死ぬ(1月30日)

戦争の悪夢忘れて七十年(1月29日)

俺だって平和が好きさデモに行く(1月28日)

九条が守る国あり春雷す(1月27日)

終戦日十七才の夏でした(1月26日)

平和ってれんげの首輪結んだ手(1月25日)

子らが戦史学び涙す沖縄忌(1月24日)

憲法や兵士とならず古稀となる(1月23日)

平和には主義などないと大根干す(1月22日)

戦争の後ろ姿を離すまじ(1月21日)

青春のすべてをなくしルソン島(1月20日

いつか来た道は通行止メである(1月19日)

寒き世や残してならぬ原発禍(1月18日)

こうべ垂れ敗戦を知る夢いまだ(1月17日)

かたつむりいずこの国へ汗の道(1月16日)

戦場になれば子が死ぬ狂い花(1月15日)

芋南瓜(かぼちゃ)命繋(つな)いで八十路かな(1月14日)

シャボン玉平和の形かも知れぬ(1月13日)

あたたかき孫の手九条あればこそ(1月12日)

全員びんた今宵(こよい)も終る冬の月(1月11日)

あ ひこうき 子供に言える平和かな(1月10日)

(入選取り消し 1月9日)

聖戦などあるはずなくて枯蓮(かれはちす)(1月8日)

ひめゆりの娘(こ)らにも見せたい夏ロック(1月7日)

はらからの命抱きたり大銀杏(おおいちょう)(1月6日)

合掌す穴にひっそりみづあふひ(1月5日)

うばわずにこわさずに 明日はぐくむ手(1月4日)

一票は銃弾より重し八っ手(やっで)花(1月3日)

平和とは一杯の飯初日の出(1月1日)