遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ハワード・ディーンの裏声

イメージ 1
 
2004年のアメリカ大統領選挙民主党候補を選ぶ予備選挙の序盤。ディーン旋風とも言われた候補ハワード・ディーンは、下の動画の演説の最後の裏声の「イェー!」で、民主党支持者の不評を買い、選挙戦からの撤退を余儀なくされた。
 
Howard Dean's infamous yell
 
【キャプション】
一連の候補者指名争いのスタートであるアイオワ州党員集会で、ジョン・ケリー上院議員ジョン・エドワーズ上院議員に次ぐ第3位という予想外の結果に終わった。さらにこの敗北を受けての支持者向けのスピーチで、残された州名を連呼して「負けないぞ、ワシントンを取り戻すぞ、ヤー!」と興奮気味に絶叫し、この様子がメディアで繰り返し取りあげられたため、冷静さを欠く人物と受け止められ、「ディーン旋風」は失速した。続くニューハンプシャー州予備選では、直前の世論調査まで二位以下を30%引き離す支持を得ていたが、やはりケリーに敗れた。リベラルな伝統を持つウィスコンシン州の予備選で巻き返しを図ったが、ここでも3位に終わり、選挙戦から撤退。ケリー支持を明言した。
 
 
当時このニュースに接して、米国はすごいなぁと思った。マスコミはディーンの「イェー!」を繰り返し伝えて、ネガティブキャンペーンを張ったが、それを割り引いても、民主党支持者は一瞬でもエキセントリックな態度を見せる人間は、大統領候補としてふさわしくないと切り捨てたのだった。
 
 
それに比べて、わが国のリーダーたちは言いたい放題好き放題。最近のニュースの見出しを拾うだけでも、以下のごとくである。
 
憲法解釈変更「最高責任者は私」 首相答弁に党内で批判
・自民・鈴木章浩都議、ヤジ認める 「早く結婚すれば」
・麻生氏「弱い、勉強できない、貧しい子は無視される」
ナチス憲法改正「手口学んだら」 麻生副総理が発言
・石原環境相「最後は金目でしょ」 中間貯蔵施設巡り発言
・「もっと風俗活用を」と橋下氏 凍り付く沖縄の米軍司令官
 
この連中、普通なら政治生命を絶たれてもおかしくない。
 
 
わが国の売りは、有事にはせ参じる軍隊を持つことではなく、美しき四季があり心優しき民が暮らす平和憲法を持つ素晴らしさだと思う。
 
憲法を改正したいとか、集団的自衛権閣議解釈したいのなら、今からでも遅くないので、解散総選挙で民意を問うべきであろう。それでもなお、自民党を国民が選ぶのなら、仕方のないこと。
野党は、対案を示して解散を要求するべきだと思う。野党は、私たちがいかにして騙されているのかを、ありとあらゆる機会を利用して私たちに語りかけて、わかりやすく明確に提示する説明責任がある。それが政治家の使命だと思う、そうでなければ「あの連中」と大差ないではないか。