遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「オカシオ゠コルテス」「コーヒー」「マデリンちゃん」ドキュメンタリー3本のご紹介

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レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2019年作品 1時間 27分

29歳で米国下院議員に当選した史上最年少の女性下院議員アレクサンドリア・オカシオ゠コルテスの予備選勝利までのドキュメンタリー。

彼女が出馬したニューヨーク州第14選挙区は、事実上民主党の国会議員が勝利すると決まっている選挙区。オカシオ゠コルテスは、民主党の予備選で現職の大物議員を破って民主党候補者に名乗りを上げた。ちなみに、本編では紹介されなかった中間選挙の本番では、オカシオ゠コルテスは得票率78%(11万318票)で(共和党対立候補者の得票数は1万7762票)であった。

ブロンクスでウェイトレスやバーテンダーをしながら、「草の根」選挙を繰り広げたコルテスがとても魅力的だった。

他に3人の女性候補者にも密着した作品だったが、当選1回にして今や超有名人になったコルテス下院議員誕生前夜の楽しい興味深いドキュメンタリーだった。長く、そのままの魅力的な政治家でいてほしいものだ。

 

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おいしいコーヒーの真実
2008年作品  1 時間 18 分

1杯分のコーヒー豆で、コーヒー農家が手にする金額、約3円。作品ではこのように紹介されていたが、農家には3円も渡っていないと思った。

アフリカでのコーヒー栽培と、そのコーヒー豆に群がる人たちのドキュメンタリー。
今もそうなのだろうか、多国籍企業4社(クラフト、ネスレ、P&G、サラ・リー)が世界のコーヒー市場を支配しているという。コーヒーのみならず、世界の食料品は多国籍企業が独占していることを、食料関連ドキュメンタリーで知った。グローバル企業が生み出す地球規模の「格差」は、私たちの近未来にどのような影響を及ぼすのだろうか、そのことも考えさせられる作品だった。

本作では、アフリカで生まれて教育を身に着けた人物も登場し、貧しいコーヒー農家を救済するために活動している姿も紹介される。

今後、どのコーヒー豆をどのような価格で買えばいいのか、そこそこおいしくて安ければいいか。

 

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マデリンちゃん失踪の真実
2019年作品 8話×50分程度

2007年にポルトガルのリゾート地で、バカンス中のイギリス人医師夫婦の長女が失踪した事件のドキュメンタリー。

8エピソードの長いドキュメンタリーだったが2日間くらいで見てしまった。

私は全く知らなかった事件だったが、2007年当時は大騒動になったようで、このドキュメンタリーを見ればそれがわかる。

事件はまだ未解決だが、イギリスとポルトガルの関係者、警察や弁護士や被害者の広報担当や友人家族やジャーナリストなどが多数出演して本作品撮り下ろしの長い証言を行っている。

作品は長くて、もっと短くする工夫もしてほしかったが、見ているうちに自分の考えや思いが変わっていく。私は弁護士や事件の捜査はできない人間だということを確信した。

マデリンちゃんは生きていれば今15歳くらいか、無事なことを祈るばかりである。