遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

チャーリー・パーカー・オン・ダイアル

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パーカー27歳、マイルス21歳の頃の録音で、ダイアルというレーベルで録音した名演奏を2枚にしたアルバム。
VOL.1は西海岸ロス、VOL.2は東海岸ニューヨークでの録音である。
パーカー率いるバンドはこの頃、活動拠点を西から東海岸へ移していた。

ダイアルレーベルの数ある録音の中から、この2枚のアルバムに圧縮されたチャーリー・パーカーのバンドは、
実に充実した演奏を行なっている。
当時はまだLPレコードがない時代で、大きな78回転のSPレコードは、長さにして3分半程度の曲しか入らない。
つまり、SPレコード1枚に1曲の間尺で音楽が売られていた時代であった。
したがって、即興演奏を延々と続けるわけにもいかないレコーディング。
3分半の制約の中でも、溌剌とした楽しい演奏を繰り広げて録音され、現代でも持てはやされているのである。

マイルス・デイヴィスの自叙伝で最も多くのページを割いて登場するのが、”バード”ことチャーリー・パーカー。
ある日地元のセントルイスにやってきた、バードとディジーガレスピーのバンドを聴いて、
若きマイルスは、有頂天になり、ジャズマンの道を歩み始めた。
そして、ジュリアード音楽院を中退して、バードのバンドに入ることが出来た、それが2度目の有頂天。

VOL.2は全曲、VOL.1は2~6まで、マイルスが参加している。
若いマイルスは、ディジーガレスピーのようにトランペットを演奏するのをあきらめた、
だから、ジャイアンツに、いやグレートワンになれたのだと思う。
臨床医の道がダメなら研究医になればいいのと少し似ている。

このアルバム、全編を通して絶頂期のバードを聴ける。
蝶のように舞い、蜂のように刺すアルトサックスを披露し続けている。
バラードでもアップテンポでも、リスナーの心をとろけさせる。

モダンジャズは、この66年前のこのアルバムから始まった。


パーカー絶頂期の姿をとらえたダイアル・レコーディング。パーカーの西海岸での足跡をたどれる作品ビ・バップ・ムーブメントの中心をなす存在だったチャーリー・パーカー。その短かった生涯のなかで、最高のプレイが記録されているのが、ダイアル・レーベルである。若きマイルス・デイヴィスを従えた1946年の吹き込みから、朦朧とした意識のなかでプレイされた、有名な“ラヴァー・マン”セッション。半年の入院をはさんで、見事なカムバックをとげた47年2月の録音まで、この時代のパーカーの西海岸での足跡を忠実にたどることができる。(録音:1946~1947)
as)チャーリー・パーカー、(tp)ディジー・ガレスピーマイルス・デイヴィス (ts)ワーデル・グレイ 他

VOL.1
1.  ディギン・ディズ   
2.  ムース・ザ・ムーチェ   
3.  ヤードバード組曲   
4.  オーニソロジー   
5.  フェイマス・アルト・ブレイク   
6.  チュニジアの夜   
7.  マックス・メイキング・ワックス   
8.  ラヴァー・マン   
9.  ザ・ジプシー   
10.  ビバップ   
11.  ジス・イズ・オールウェイズ   
12.  ダーク・シャドウズ   
13.  バーズ・ネスト   
14.  ホット・ブルース(クール・ブルース)   
15.  クール・ブルース(ホット・ブルース)   
16.  リラクシン・アット・カマリロ   
17.  チアーズ   
18.  カーヴィン・ザ・バード   
19.  ステューペンダス  


パーカー絶頂期をとらえたダイアル・レコーディング。NYへ戻ってからの名演が堪能できる!チャーリー・パーカーの絶頂期の姿がとらえられているダイアル・レコーディング。1947年4月、西海岸からニューヨークへもどっておこなわれたセッションの数々はレギュラー・コンボを中心にしていることもあって、パーカーのサックス・プレイはもとより、バンドとしてのまとまりもよく感じさせるものになっている。「エンブレイサブル・ユー」「マイ・オールド・フレーム」をはじめとするバラード・ナンバーも、いずれも超名演と呼べるものである。(録音:1947)
(as)チャーリー・パーカー (tp)マイルス・デイヴィス (tb)J.J.ジョンソン (p)デューク・ジョーダン(b)トミー・ポッター(ds)マックス・ローチ

VOL.2
1. デクスタリティ
2. ボンゴ・バップ
3. プレゾロジー (デューイ・スクエア)
4. スーパーマン (ザ・ヒム)
5. バード・オブ・パラダイス
6. エンブレイサブル・ユー
7. バード・フェザーズ
8. クラクト・オヴィーセッズ・テーン
9. スクラップル・フロム・ジ・アップル
10. マイ・オールド・フレーム
11. アウト・オブ・ノーホエア
12. ドント・ブレイム・ミー
13. ドリフティング・オン・ア・リード
14. カジマド
15. チャーリーズ・ウィグ
16. ボンゴ・ビープ
17. クレイジオロジー
18. ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン