遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ザ・チャーリー・パーカー・ストーリー

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ザ・チャーリー・パーカー・ストーリー


年末に4夜にわたって放送されたNHK「巨匠たちの青の時代」。

ピカソ、マイルス・デイビス、シャネル、スタンリー・キューブリック

4人の巨匠の「青の時代」を取り上げた面白い番組だった。


小さくてパワーのないマイルスは、

ディジー・ガレスピーのように高音でバリバリ吹くトランペッターになれなかった事が、

皮肉にもその後の巨きなミュージシャンになる原動力となったといえよう。


本日ご紹介のアルバムは、その番組でも紹介されていた、

「Billie's Bounce」を含む「ザ・チャーリー・パーカー・ストーリー」。

曲数としては5曲しか入ってないアルバムだが、

同じ曲の別テイクがバスケットされていて、それはそれで楽しめる構成になっている。

録音は1945年11月で、パーカー24歳、マイルスにいたっては19歳。

デビュー当時のマイルスの実に微笑ましいトランペットが聴ける。

マイルスは、パーカーとのユニゾンはしっかりシンクロして演奏できていて素晴らしいのだが、

ソロのフレーズは、青くて実に微笑ましいのである。

同時代のトランペッターであるフレディ・ウェブスターそっくりに吹いていたと、

番組でも微笑ましく評論家に紹介されていた。

私はウェブスターのトランペットを知らないが、

このアルバムのマイルスでウェブスターを知ることができる、のだろう。

19歳の初々しさが、老練なる貫禄にも感じ取ることができるのが、

マイルスの不思議なところなのかもしれない。


それにしても、主人公のチャーリー・パーカーのアルトサックスは素晴らしくって、

社会人になってもバンドでアルトサックスを担当しているわが長女にショックを与えるだろうから、

聴かせられない演奏なのである。

ディジー・ガレスピーは、トランペット・パートをマイルスに譲って、

ピアノに回っているのだが、さすがに「Ko-Ko」のビーバップな演奏だけはトランペットを演奏している。


アーティスト: チャーリー・パーカー(as),カーリー・ラッセル(b),サディク・ハキム(p -8,9),
マイルス・デイビス(tp -1/9),ディジー・ガレスピー(p -1/7,11, tp, p -10),マックス・ローチ(d)

曲目リスト
1. Billie's Bounce (new-take 1)
2. Billie's Bounce (short-take 2)
3. Billie's Bounce (new-take 3)
4. Billie's Bounce (new-take 4)
5. Now's The Time (short-take 1)
6. Now's The Time (short-take 2)
7. Now's The Time (new-take 3)
8. Thriving On A Riff (new-take 1)
9. Thriving On A Riff (short-take 2)
10.Ko-Ko (short-take 1)
11.Meandering (new-take 1)