遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

おひとりさま御用達

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昨日、いつもの釣り池の桟橋、お隣で竿を出すかなりのご年配に話しかけられる。
脳こうそくを患ってもなお(歩くのも不自由そうにお見受けした)、
ひとりで車を運転して出かけてきて、お一人で竿を出しておられるそうな。

関西弁ではない話し方が関西人から見れば実に上品で、現役時代はどんな職業人だったのか興味深かった。
ともあれ、いくつになってもひとりで楽しみを享受できるのはいいことだと思った。
自宅近くで、一人で好きな時に行ける安上がりのこの遊びを覚えてよかったとも思った。

若いころは、ボウリング、映画、美術展、マラソンやランレースなどひとりで楽しんでいた時代があって、
一人遊びはどちらかというと好きな方に属している。
いまでも、ランチの一人バイキングや単独での泊り付きの出張や研修は嫌いではない。

先だって、夕食時にはじめての蕎麦屋に入ったら、
カウンター席に常連客らしき30代と思しき女性が、一人で飲んでいる場面に出くわした。
その蕎麦屋、メニューには刺身や焼き魚もあり、そこで飲むというのは悪くない選択肢だと思った。

NHKの「COOL JAPAN」という番組で、ひとり居酒屋やひとりカラオケや一人旅を取り上げ、
日本人のおひとりさま指向について、海外の若者は違和感を感じているようだった。
海外では、ひとりで飲んでいると、それはパートナーを探していることだと見なされるようで、
おひとりさま指向はあまりCOOLじゃないと異口同音に言う。

とは言え、番組内で体験した、ひとりカラオケや、ひとり居酒屋体験は楽しかったそうで、
日本でのおひとりさまサービスは、意外と心地よくてCOOLだったとも言う。

私、カラオケや居酒屋は遠慮したいけど、
早朝ゴルフ、レストラン、焼肉店、リゾート・ホテルなんかは、
若い女子であろうが中年オヤジだろうが、気軽におひとりで使えるようにしてほしい。

ひとりでそっとしておいてほしいのである。