遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

日本国憲法(前文)

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日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。



協和(きょうわ):心を合わせ仲よくすること。
恵沢(けいたく):恩恵。めぐみ。
惨禍(さんか):天災・人災などによる、むごたらしくいたましい災難。
信託(しんたく):信用して任せること。
享受(きょうじゅ):受け入れて自分のものとすること。
詔勅(しょうちょく):詔書・勅書など、天皇の意思を表示する文書の総称。

恒久(こうきゅう):ある状態が永く変わらないこと。永久。
信義(しんぎ):真心をもって約束を守り、相手に対するつとめを果たすこと。
専制(せんせい):上に立つ人が独断で思うままに事を処理すること。
隷従(れいじゅう):付き従い言うなりになること。
偏狭(へんきょう):自分だけの狭い考えにとらわれること。度量の小さいこと。

普遍的(ふへんてき):広く行き渡るさま。極めて多くの物事にあてはまるさま。
責務(せきむ):責任と義務。また、果たさなければならない務め。
崇高(すうこう):けだかく尊いこと。