遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ミント米

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ミント米
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今年も、この先1年分の玄米、

30kg×15袋を、父親の同級生の農家から安く購入。

妹一家に売ったり、弟や親戚にもお裾分けをして、

それでも1年で食べきれない。

女3人、半病人の年寄り1人、食の細い私の5人家族では、

そんなに食べられない。


さて、「ミント米」というのをご存知かと、妻が聞く。


私は、てっきりハーブ・ライスかなにかの一種で、

食べたくないなぁと言うと、

さにあらず、とある無農薬米のことだという。


米に寄ってくる害虫の代表選手が、カメムシ

このカメムシなどを防ぐために、普通は殺虫剤などを撒く。


ところが、ハーブ類のあの独特の臭いは、

虫を遠ざける効果がある。

たとえば、ヨーロッパでお馴染の、窓辺の赤いゼラニューム。

見て美しいのだが、本来は窓から室内に入ってくる虫を、

ハーブ系の臭いで阻止するためのもの。


その方法を、有機農業に取り入れたのがミント米。

画像の田んぼのあぜ道に、びっしり生えているものは、

アップルミントである。

アップルミントは、まさにリンゴのような香りがするミントなのだが、

これをあぜ道に植えておくと、稲を狙った害虫を阻止できるのだという。

カメムシはこのミントの臭いを嫌って、近寄って来ないのだという。


しかもあぜ道は、他の雑草も生えない。

アップルミントは、他の雑草を寄せ付けないほど、

繁殖力が強い。

だから、あぜ道の草刈や除草剤散布も不必要。


実は私も、引っ越したあとの古い家に庭に3株ほど植えている。

ポール・スミザーが、雑草退治にはアップルミントがお勧めだと、

言っていたのを聞いて、さっそく実践したのである。


ところが、実験途中にご近所のおじさんが、

頼みもしないのに親切心から除草剤を私の夏の庭に撒いてしまった。

哀れアップルミントも雑草も枯れてしまった。


しかし、枯れたと思っていたアップルミント、

また蘇ってきていたのである。恐るべき生命力。


とまぁ、殺虫剤も除草剤も使っていない、

あぜ道にミントを植えて、

清く正しくつくられたオーガニック米をのことを、

ミント米と称するのだそうだ。


お米の袋に「ミント米」と書かれていても、

なんじゃそれと思ってしまうのだが、

ネーミングは一考の余地はあるのだが、

そんな消費者に嬉しいことをしている、

素敵な農家もあるというお話であった。