今回は本の内容ではなくて、表紙。
太宰の「人間失格」はこの表紙にして以来、
売れに売れ続けているという。
そういえば、山本周五郎の「さぶ」の記事を書いたとき、
いまの「さぶ」の表紙では、
冒頭の両国橋の空気が伝わって来ない、
浮世絵風の両国橋の表紙に、私は思い入れがある。
CDはジャケット買い(ジャケットに惹かれて思わず購入)
という技もあるのだが、
文芸作品もこう来たかという感じである。
でもそれも悪くない。
赤福餅のジャケットの「日付の秘密」は、
ミステリ風暗号でもあるが、
作る側はもちろん、販売側も分かっていたんじゃないのだろうか。
少なくとも、この日付の最後の「-」「.」マークは不審に思っていたはず。
記号は「謹製」と書かれた製造日印にあり、日付の後に「・(ピリオド)」と「-(ハイフン)」を 付けていた。この両方があるものは、一度店頭に並んで売れ残った商品を回収して包装し直す 「まき直し」をした商品。 ハイフンだけのものは、製造日の日付を、前もって翌日以降とした「先付け」のもの。 また、消費期限の後にピリオドのあるものは、冷解凍の工程を経たことを意味する。 いずれも回収後に、再度まき直しや冷凍する工程に回らないようにしていた。 新しく作られた商品にはこうした記号はなく、売れ残った後に、まき直しや冷凍できる商品として 認識されていた。
小畑健のイラスト表紙で「まき直し」て販売しても、
まったく無問題。
文芸作品をジャケ買いしなさい若人よ。
太宰の賞味期限はまだ切れていない。
人間失格は、
赤福餅の方である、
元防衛事務次官である、
薬害被害を隠匿し、年金システムを破綻させそうな旧厚生省である。