「詩のボクシング」のリンク下に居る司会者であるが、
詩人ではないし、
夏競馬のTV中継の司会者でもあるが、
かといって競馬評論家でもない。
小説家である。
室井佑月の旦那だと思っていたら、かなり前に離婚したようだ。
高橋の作品「さようなら、ギャングたち」は、
私の大ッ嫌いな福田和也著「作家の値打ち」の作品評点で、
91点という高得点をたたき出す小説である。
ちなみに、福田いわく、90点以上は「世界文学の水準で読み得る作品」。
29点以下は「人前で読むと恥しい作品。もしも読んでいたら秘密にした方がいい」とぬかす。
高橋はその29点以下にも、とある作品を提供している。
余談だが、総ての作品を20点以下にされた男性作家Fが居る。
私はFの作品は読んだことがないが、ま、福田はFに叩きのめされるがいい、
営業妨害への正当防衛である。ちがうか。
高橋の「小説教室」に話を戻す。
この1冊は、小説書きの為の小説教室ではあるが、
実は小説ファンを増やすための、仕掛け本であるような気もする。
小説の書き方教室でもあるが、
小説の読み方教室でもある。
小説とは何ぞやというのは、難しい問題であるが、
高橋は書き方レッスンと称して、かなりの紙数を費やし、
引用文献を多数登場させ、核心に近いことを述べている。
いまさら読み方も書き方も「教室」で教わる年齢でもない私だが、
ますます小説が読みたくなる1冊であった。
若き小説家志望にもお奨めはもちろんのこと、
ケータイに膨大な時間を費やしている中高校生に、
少しの時間をこの本を読むために流用して欲しいと
切に切に願うのである。
引用された文献
「うわさのベーコン」猫田道子
「課外授業ようこそ先輩」(番組製作資料より)
「エーミールと探偵たち」エーリヒ・ケストナー
「ますます賢く」武者小路実篤
「変身」カフカ
「女生徒」「駆込み訴え」太宰治
「時間」吉田健一
「続・辻征夫詩集」
「シンジケート」穂村弘
「本よみの虫干し」関川夏央
「かなしみ」谷川俊太郎
「詩織」藤井貞和
「セックス障害者たち」バクシーン山下
「たまもの」神蔵美子