遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ワーキン/マイルス・デイヴィス

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  ワーキン    ザ・マイルス・デイヴィスクインテット




1956年5月11日、1956年10月26日録音


曲目リスト
1. イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド
2. フォア
3. イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ
4. ザ・テーマ(テイク1)
5. トレーンズ・ブルース
6. アーマッズ・ブルース
7. ハーフ・ネルソン
8. ザ・テーマ(テイク2)


「7. ハーフ・ネルソン」以外は、1956年5月の録音である。

実に51年前の作品である。

マイルスとコルトレーンが30歳になった年である。


「ワーキン」は、「クッキン」「リラクシン」「スティーミン」と並ぶ、

オリジナル・クインテットの名作である。

マイルス・デイヴィスのアルバムは、

この4枚さえあればいいのではないかというくらい、

私はお気に入りである。


1曲目「イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド」は、

またしてもレッド・ガーランドの、

真綿にくるまれたようなやさしい響きのピアノで始まる。

初めてジャズを聴かれた方は、耳を疑うような清らかさに驚かれると思う。

そのあとに続くマイルスの枯れた渋いトランペットの調べに、

もう一度驚くことになる。


こういうのもジャズなのである。




地球を代表する「The」リズム・セクションであり、

このアルバムには、マイルスとコルトレーン抜きの、

アノトリオでの「6. アーマッズ・ブルース」が入っている。


「3. イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ」の、

ミュートを効かせたマイルスと、自由に飛翔するコルトレーンが秀逸。 



「5. トレーンズ・ブルース」の5人の演奏を聴くと、

心が高揚して、まちがいなく、恋をしたくなる。




5人は、いい「仕事」をしてくれている。