遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

クリスタル・サイレンス/チック・コリア&ゲーリー・バートン

イメージ 1

クリスタル・サイレンス   チック・コリアゲーリー・バートン


◆パーソネル
チック・コリア(p)
ゲーリー・バートン(vib)

★1972年11月6日オスロ,タレント・スタジオにて録音


曲目リスト
1.セニョール・マウス
2.アライズ,ハー・アイズ
3.アイム・ユア・パル
4.デザート・エア
5.クリスタル・サイレンス
6.フォーリング・グレイス
7.フィーリングズ・アンド・シングズ
8.チルドレンズ・ソング
9.ホワット・ゲーム・シャル・ウィー・プレイ・トゥデイ


私はこの記事を書くために「クリスタル・サイレンス」を聴いたのが、早朝の5時台。


自宅の周辺にいるウグイスの声が聴けるのも、静かな早朝である。

そのいつものウグイス、まだ修行が足りないのか、寒い日が続いているせいなのか、

いまだに「ホーホケキョヶ」と鳴いている。

小さな「ケ」がまだ取れなくて、爽やかさがイマひとつなのである。


「クリスタル・サイレンス」は、朝から聴いても実に爽やかなジャズ・アルバムである。


このアルバムはECMを代表する作品のひとつであろう。

ECMレコードは、ドイツ(当時西ドイツ)で1969年に設立されたジャズ系レーベル。
いわゆる4ビートのジャズとは趣を異にした、メロディアスで繊細な音楽、現在進行形の音楽を作品としてリリースすることをメインに、マンフレート・アイヒャーが設立した。
会社名(およびレーベル名)のECMとは“Edition of Contemporary Music”の頭文字を取ったもので、まさしくコンテンポラリーなジャズ/クラシック/アコースティックな音楽を配給することを目的としている。



ピアノ・トリオやソロのアルバムをリリースした後、

リターン・トゥ・フォーエヴァー」によって、1972年にECMで、



その9ヵ月後に、またアコースティックな世界に舞い戻った、

お相手は、コンテンポラリーなヴィブラフォン奏者のゲイリー・バートンであった。


これは、デュオ・アルバムである。





しかし、この演奏でゲイリー・バートンも大御所に上り詰めた。

二人のバトルはすごい。

すごいが、実に爽やかである。

バトルだけど、角のない麗しいバトルである。


ピアノとヴィブラフォンは、メロディもハーモニーもリズムも演奏できる。

その醍醐味が、端から端までしっかり堪能できる、それ以上の説明を要しない。