さすがにジャズのライブの観客は、私の年代の男が多くて、それでも女性も多くて、館内の観客構成比は「老老若男女」といった感じか。
チック・コリアの名作「リターン・トゥ・フォーエヴァー」のリリースが1972年。チック・コリアとゲイリー・バートンのデュオアルバム「クリスタルサイレンス」も、1972年のリリース。それから40年以上の月日が流れても、ふたりのサウンドは変わることなく大阪で再現された。
ふたりのコンサートの雰囲気はこんな感じ↓
73才と71才が奏でるサウンドは、枯れることなく、時に憂いを含んでしっとりと、時にヴィヴィッドでダイナミックにホールに響き渡り、聴衆を嬉しくさせてくれる。後半はハーレム・ストリング・カルテットという、若き弦楽四重奏団とのコレボレーションや、チック・コリア夫人のヴォーカルもありで、まさにジャンルを超えたクロス・オーバー音楽で楽しませてくれた。
かっこいいこととはああいうステージなのだと思う。少女軍団48ばかり鑑賞していても、かっこいい男になれないように思うのだが、こういう男たちの音楽に少しは接してほしいと切に願うものである。
コンサートのMCは、演奏者二人が交互に英語で務める。関西弁しか理解しない私は一生懸命聞き取った。
その後、マイルス・デイヴィスのコンボでは、マイルスの第2黄金期のキーボード奏者として、マイルスの重要なアルバム作りに参加している。これらのアルバム作りを経てこそ、今でもかっこいいステージが構成できるのである。
私の右に座ったオジサンは、演奏中に膝を指で叩いたり体をゆすったり、幸せそうであった。左に座った、妊娠6か月くらいだろうかお腹の大きなご婦人は、美しい靴を履いたお方で、じーっと聴き入っておれれた。
私も、20歳のころから聴いているチック・コリアのはじめての生ステージに感極まって、想像で左のご婦人を抱きしめていた、あくまでも想像で。
下の画像は、チック・コリアの関わったアルバム
左上から右へ「リターン・トゥ・フォーエヴァー(1972)」「ライト・アズ・フェザー(1972)」「クリスタル・サイレンス(1972)」(ゲイリーとの共作)
2段目左から「ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス(1968)」「イン・ア・サイレント・ウェイ (1969)」(マイルス)、「チック・コリア・ソロ Vol.1(1971)」
3段目左からすべてマイルスのリーダーアルバム「キリマンジャロの娘(1968)」「ビッチェズ・ブリュー(1969)」「オン・ザ・コーナー(1972)」