遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

藤井聡太は王位戦を5連覇し「永世王位」になりました

藤井聡太王位(22)は28日第65期王位戦七番勝負の第5局に勝利し、対戦成績を4勝1敗とし、王位を防衛しました。

挑戦したのが渡辺明九段(40)でしたが、詰みがあったのに惜しい将棋を落とした対局もあり、とりわけ前半戦は渡辺が善戦したタイトル戦だったと思います。

意外にも、渡辺は王位戦初登場のタイトル戦でしたが、40歳でもまだまだトップ棋士の位置をキープしていて立派です。彼が登場するタイトル戦は「和み」が感じられますので、これからもタイトル戦に花を添えてもらいたいものです。

藤井は王位戦を5連覇しましたので、それにより「永世王位」の資格を得ました。

永世王位」とは、王位戦の名誉称号で、タイトルを連続5期もしくは通算10期以上獲得した棋士に与えられる名誉称号です。

以下のように、タイトル戦によって名誉称号の授与条件は異なっています。

◆通算5期以上
名人、竜王棋聖叡王

◆連続5期もしくは通算10期以上
王位、王座

◆通算10期以上
王将

◆連続5期以上
棋王

過去の過去に名誉称号を獲得した棋士はわずか10人で、藤井は先月7月1日に「永世棋聖」を獲得したばかりでした。

タイトル別の栄誉称号を持つ棋士は以下の通りです、

名人 永世名人    通算5期以上
木村義雄(十四世名人)
大山康晴(十五世名人)
中原誠 (十六世名人)
谷川浩司(十七世名人)
森内俊之(十八世名人)
羽生善治(十九世名人)

竜王 永世竜王    通算5期以上
渡辺明
羽生善治

王位 永世王位    連続5期もしくは通算10期以上
大山康晴
中原誠
羽生善治
藤井聡太

王将 永世王将    通算10期以上    
大山康晴
羽生善治

棋聖 永世棋聖 通算5期以上    
大山康晴
中原誠
米長邦雄
羽生善治
佐藤康光
藤井聡太

王座 名誉王座 連続5期もしくは通算10期以上
中原誠
羽生善治

棋王 永世棋王 連続5期以上
羽生善治
渡辺明

叡王 永世叡王  通算5期以上
該当者なし (藤井聡太は通算3期)

名人は、獲得が至難のタイトルのもかかわらず名誉資格者が6人もいますが、1935年創設の歴史がそのことを物語っているのかもしれません。

また、棋聖戦は、1962年の創設当初から1994年度までは、タイトル戦の中では唯一、年2期制で行われていましたので、比較的名誉資格者が多くなっています。

名誉称号資格者は以下の通りで、羽生善治九段(53)は「永世七冠」を保持しています。

永世称号保持者(現在10名)
羽生善治 7タイトル(名人・竜王・王位・王将・棋聖棋王・王座)
大山康晴 4タイトル(名人・王位・王将・棋聖
中原誠  4タイトル(名人・王位・棋聖・王座)
渡辺明  2タイトル(竜王棋王
藤井聡太 2タイトル(王位・棋聖
木村義雄 名人
谷川浩司 名人
森内俊之 名人
米長邦雄 棋聖
佐藤康光 棋聖

 

ということで、藤井聡太永世称号をどれだけ積み上げるか、お楽しみはこれからであります。

 

対局を終えて感想戦を行う藤井王位と渡辺明九段