遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

藤井聡太は来なかったが「詰将棋選手権」は敗者のいない爽快なガチ勝負です

過去の詰将棋回答選手権 手前に斎藤慎太郎、奥に藤井聡太少年

昨日は、将棋界も2023年度末を迎え、公式行事ではありませんが「第21回詰将棋解答選手権」チャンピオン戦が開催されました。

2004年に始まった本大会は、コロナ禍の第17回から第20回までは開催が中止となり、5年ぶりの開催となりました。

5年前、第16回大会の優勝者は藤井聡太(当時七段)で第二位が斎藤慎太郎(当時王座)でした。(下の画像)

第19回大会 優勝と準優勝の二人

藤井聡太は、プロ棋士やアマチュアトップ棋士が集うチャンピオン戦を初優勝したのが第12回大会(2015年)で小学6年生の時(当時奨励会の二段)でした。

以降2019年の16回大会まで5連覇を成しとげ、その間にプロ棋士になりデビュー後29連勝などで一躍時の人となっていました。続くコロナ禍の中で、大会は中止を余儀なくされましたが、藤井はプロ棋士として成長と躍進を続け、プロ棋士の頂点に立ち続けました。

そして、第21回大会が開催されることが確実になってから、はたして藤井聡太が6連覇をかけて本大会に出場するのかどうかが将棋界の話題になっていました。

しかし、残念ながら21回大会に藤井聡太は不参加でした。東京と大阪の大会会場の取材メディアは「ああ来なかったか」とがっかりしたことでしょう。

4月10日から名人戦7番勝負が始まりますし、その準備や八冠のタイトル保持者としてのイベント行事も多くて、藤井の不参加もやむなしといったところでしょう。

今大会の出題問題は、難解な問題が多くて優勝者古賀悠聖六段(23)の得点が100点満点で73点、2位の斎藤慎太郎八段(30)が63.5点でした。

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古賀、斎藤両棋士はインタビューで、「とても難しかった」と語っていましたが、きっと、詰将棋の出題者が「藤井君、これ解けるかな」といった難解な問題を考えて出題したのでしょう。

古賀は「藤井さんと触れ合えるのはこの大会くらいしかないので、今日は出場されなかったので残念でした」

斎藤も、「今大会の問題は藤井さん仕様だったのでしょう」「藤井さんが出ている詰将棋解答選手権を見たい!というのが皆さんの総意でしょうから、不藤井さんのスケジュールに合わせた大会開催を考えてほしい」と私たちの意見を代表してくれていました。

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上の動画には大会を終えた男女の棋士たちのインタビューがありますが、やりきった感があってか、みな清々しくてとても素晴らしいです。

対局が終わった後は、勝っても負けてもこんな清々しさはないのですが、自分との戦いが終わった後の棋士たちの爽快さは、詰将棋選手権ならではと思うのであります。

東京会場 最前列手前から広瀬九段、カツラなしの佐藤紳哉七段、千葉七段

東京会場 右は本大会3位になった千葉七段、左は藤井の一代前の王者宮田七段

東京会場 内山女流初段と山根女流三段

大阪会場 手前が2位の斎藤八段、一番奥に大御所の谷川十七世名人

【参考】

詰将棋(つめしょうぎ)とは、将棋のルールを用いたパズル。詰め将棋と表記されることもある。
駒が配置された将棋の局面から王手の連続で相手の玉将[注 2]を詰めるパズルで、元は指し将棋(通常の意味での将棋。詰将棋と区別する上でこう呼称する)の終盤力を磨くための練習問題という位置づけであったと思われるが、現在ではパズルとして、指し将棋から独立した一つの分野となっている。