遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

昭和9年9月の「ENOKEN之図」/藤牧義夫

上の画像は、牧義夫という版画家の22歳の時の作品です。

作品のモチーフは、エノケンこと榎本健一(1904 - 1970)で、29歳の時のスターを版画にして畦地という方に贈ったもののようです。

エノケンは、今の朝ドラ「ブギヴギ」にも登場する日本のもっとも著名なボードビリアン(歌って踊れる喜劇俳優)で、この作品が描かれたのが昭和9年9月27日とあります。

エノケンが自らの一座を旗揚げしたのが昭和18年で、以降、戦前戦後にかけて映画や舞台で一世を風靡しました。笠置シズ子エノケンと舞台で共演したのは、戦後まもなくの頃だったようです。

この牧義夫という版画家に今日初めて遭遇したのですが、榎本健一と藤牧義夫については、それぞれについてまた別の記事で触れたいと思います。

この作品が描かれた昭和9年9月27日という日は、私の義母(妻の母)が生まれた日(この約1か月前、昭和9年8月)に近くて感慨深いのです。

実は義母が火曜日の早朝に息を引き取りましたので、この作品と今日という日に偶然に出会ってとても感慨深いのでした。

宝塚歌劇が好きだった義母でしたから、きっとエノケンも好きだったことでしょうし、天国では、とりわけ好きだった越路吹雪をはじめ往年の宝塚スターと再会できることでしょう。

ありがとうございました。おつかれさまでした。

合掌