遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ハラスメントや大阪維新と絶縁して吉本興業は再生せよ!

 

昨年末の「M-1グランプリ2023」からちょうど一か月。

そのM-1の顔というべき松本人志が1月の間に居なくなるって、松本本人も含めてだれがあの時想像できたでしょう。

今週号の文春砲では、実名による被害者の告発記事が出されるという噂ですので、私が予想してここで記事にしていた通り「文春砲は一発では終わらない」という様相を呈しています。

まあ、松本人志が芸能界にいま必要かと問われれば、「不要」の一言で片づけることができます。あまたある(?)松本のレギュラー番組はタイトルを変え出演者を変えれば永遠に取り換え可能ですし、M-1の審査員など部品交換はいくらでも可能でしょう。来年のM-1は、上沼恵美子立川志らくに続いて松本人志が審査員から外れ、ますます研ぎ澄まされた審査が可能になるってものでしょう。

松本人志がいなくなって、寂しくなるのは相方の浜田くらいのもので、むしろ「二度と帰ってくるな。晴れわたった空がまた曇る」と思っている芸人たちも少なくないでしょう。

ところで、かつて「闇営業」で、冠番組を持つ人気芸人をガバナンスとコンプライアンスの観点からバッサリとクビにしてきた吉本興業でしたが、今回の松本の件ではいまだに記者会見が開かれていません。

「闇営業」不祥事の時は、釈明会見で吉本幹部は「質問が出なくなるまでやります、何でも話します」と見事な態度でしたが、今回は松本と同調しているのか「事実無根」「そんな事実は一切ありません」と断言したきり逃げようとしていました。

ところが、文春砲の第二弾が出て以降「そんな事実」が具体的な根のある話になってきて、吉本トップの怒声は鳴りを潜めています。

そんななか、吉本興業は今日公表した週刊誌報道等に対する当社の対応方針についてで、「私的行為とはいえ、当社所属タレントらがかかわったとされる会合に参加された複数の女性が精神的苦痛を被っていたとされる旨の記事に接し、当社としては、真摯に対応すべき問題であると認識しております」と松本事件に対する態度を一変させました。

昨日1月23日に開かれた、吉本の「ガバナンス委員会」(2023年7月設置)で、委員会の外部弁護士から手厳しい指摘を受け、今日の公表となったようです。

「所属タレントが提訴した訴訟の経過も注視しつつ、事実確認をしっかり行った上で、何らかの形で会社としての説明責任を果たす必要がある」
「当初の『当該事実は一切なく』との会社コメントが世間の誤解を招き、何を指しているのか不明確で混乱を招いたように思う。時間がない中での対応とはいえ、今後慎重に対応すべきである」
また、タレントやグループ社員に対して、あらためてハラスメントの防止のための教育や研修を実施する必要を求める意見があったという。

ということで、ようやく吉本興業は社内調査を実施するところまで来たようです。

吉本に対する貢献度から松本やその類の所属タレントに忖度などしていると、「吉本丸」ごと沈んでしまうことが、幹部たちが何でわからないのか不思議です。

ついでに言えば、大阪維新の会に着いて行っても同じく沈んでいくだけだということも分かっていないようで、吉本の所属タレントや多くの社員従業員、それとファンの皆さんが乗った大きな船のかじ取りができないようなら、維新の作った海図で動く操舵室メンバーは交代した方が良いのではないでしょうか。

1912年(明治45年)の創業以来、もっとも大きな危機が吉本興業に迫っていると言っても過言ではありませんが、でもその危機に対する処方は簡単なことです。

ガバナンスを担っている幹部は広く世間の声を聞く耳を持って、大阪維新のスポークスマン稼業をやめて、ネタも含めてあらゆるハラスメントに無頓着な芸人たちに注意喚起し、収益を追いかけるのではなく「創業時の思い」の通り、ただ笑いを提供することに専念すればことたることです。

ハラスメントや大阪維新と絶縁すれば吉本興業は再生できます、単純なことです、今すぐできます。