遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

東海村JCOの臨界事故が日本の「窓割れ」の始まりだった?!

「窓割れ理論」という言葉を最近目にしました。

「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考え方から、悪いことは大きくならないうちに質していくと秩序が乱れないとする理論・考え方のようです。

この10年の日本を振り返ってみると、嘘つき男が長年総理大臣の席にあったためか「窓割れ理論」が実践されないまま、タガが外れたようなひどい事件や社会現象に出くわします。

きょうは東海村で自家用車で人をはねたり村役場に突っ込んだ53歳の男が逮捕されたようですが、その動機が、東海村の臨界事故に関する事だったようでした。

男は、約24年前に東海村で起きた核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の臨界事故で「健康被害を受けた」と村役場や同社に訴えていたのに補償が認められなかったことを恨みに思っていて、今回の犯行に及んだとのことでした。

動機についての信ぴょう性はまだはっきりしませんが、JCOの臨界事故では、作業員3名中、2名が死亡、1名が重症となったほか、667名の被曝者を出しました。

作業員が核燃料をバケツに入れて手作業をしていたさなかの事故で、当時そのずさんな手作業の実態を知らされ、「まだこんなことやってるのか」と驚きと怒りを感じたのをいまだに憶えています。

「まだこんなことやってるのか」という思いは、広島と長崎に人類史上初めての核爆弾を落とされ、1954年のビキニ沖の米国の水爆実験に遭遇し第五福竜丸の船員1人が被ばくして命を落とされたにもかかわらず、儲け主義を優先したいがための核に対する無頓着と無防備さに呆れたのでした。

そして、JCOの臨界事故の後が、2011年の福島の「3.11」の原発事故です。

第一次安倍政権の2015年当時、国会答弁で安倍晋三福島第一原発地震津波に遭っても「全電源喪失はありえない」と地震対策を拒否していました。3.11の津波で原子炉はメルトダウンデブリは取り出せないまま今日に至っており、デブリを冷やした汚染水は2023年に海洋投棄され始めました。

当時私の上司だった人の娘さんは東京住まいだったのですが、事故後ただちに子供を連れて大阪に一時避難のために里帰りしていたようでしたが、いまとなっては当時のあの悲壮なまでのパニックは、忘れ去られたのかという空気です。

老朽化した原発の稼働延長をやすやすと決めてしまう政府・経産省と電力会社の頭の中は、利益効率の良い原発をただただ長く続けたいということだと思います。人の命・安全性のことより、電力会社の利益のために古い原発を動かし続けるという理論です。

原発に「窓割れ理論」を当てはめてみると、JCOの臨界事故だったかもしれませんし、東海村もんじゅの失敗かもしれませんし、福島第一原発の大事故だったかもしれません。

これまでの窓割れを放置していると、早晩「他の窓割れ」、つまり日本全土が核の脅威にさらされてしまうということです。

ということで、何度も窓は割れてきましたので、そろそろ窓ガラスの修復のために、まずはいま動いている原発や動かそうとしている原発を止めることから始まることにしましょう。

そして、円安為替や空気汚染や放射能汚染からフリーになるべく、再生可能エネルギーによる電力に転換するべき時が来たのではないでしょうか。

 

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